OKINAWA UNDERGROUND沖縄アンダーグラウンドの音楽シーンを毎月ご紹介

Vol.011

『BIRDHELMS』Cover Photo by DAITAKU

沖縄地下音楽 Vol.011

2024/7/1 発行

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Event Information

イベント紹介『Limited Express (has gone?) 沖縄2DAYZ』

イベント紹介:うっちー
『沖縄地下音楽』編集長・久米ABD RECORD’S BAR オーナー。
神奈川県横浜市出身。
タバコはアメスピの黄箱。

2024年7月27日(土)コザ・GIG STUDIO騒音舎、28日(日)那覇・ABD&TheHologramCity(ライブサーキット形式)の2日間にわたって開催される『沖縄地下音楽PRESENTS・Limited Express (has gone?) 沖縄2DAYZ』

日本オルタナパンクシーンを最先端で牽引するバンド『Limited Express (has gone?) 』= 通称リミエキを迎えて開催されるこのイベントには沖縄勢も11バンドが出演!
出演バンドそれぞれの魅力をご紹介いたします。

関連記事交換書簡インタビュー『Limited Express (has gone?) 』

Limited Express (has gone?)は、27日(土)・28日(日)の両日出演!

両日予約にはスペシャルな特典が!!

両日とも予約の場合、なんとTシャツがもらえちゃいます!先着15名なのでお早めに!

DAY1・2024/7/27(Sat)
コザ・GIG STUDIO騒音舎『コザだのに久米騒動〜夏の乱・1st〜』

18:00 OPEN / 入場 ¥2,000+1D(予約特典あり!)

出演:Limited Express (has gone?)、生ず、EMPATHY、AKKANBABYS、ANTI USE HEADZ 、HELL型、R.A.G.S

FOOD:Vanqucia(カオマンガイなど)

DAY1・出演バンド紹介『生ず』

MEGUMIBOY(左)とけんじQ(右)のツインボーカルは圧巻の一言!(Photo by DAITAKU)

2024年6月現在の沖縄では唯一ではないかと思われる、男女ツインヴォーカルスタイルのパンク&ハードコアバンド『生ず』
それだけでも十分にインパクトがあるのだが、どこか人を喰ったようなバンド名や曲名、そして歌詞。
それとは裏腹に奏でるサウンドはパワーヴァイオレンス&ファストコアと言っても過言ではない程にレイジング!
畳み掛けるように次々とファスト&ストレンジな楽曲を繰り出していく軽快なライブステージは必見・必聴です。

関連記事・ライブレポート『生ず』@Slum Bar

DAY1・出演バンド紹介『EMPATHY』

沖縄パワーバイオレンス!『EMPATHY』
屈強な肉体から繰り出される重音・咆哮・畳みかけるような高速ハードコアは、まさにパワーバイオレンス!全身全霊のステージは時間短いです!コザ騒音舎でのトッパーで登場しますので、お見逃しのないように!
注意:多分ライブ短いから見逃し注意です

DAY1・出演バンド紹介『AKKANBABYS』

独特の空気感のポップな曲調から一転して会場を飲み込むような轟音が駆け巡るAKKANBABYS
(Photo by DAITAKU)

男性3名、女性1名からなるギターロックバンド『AKKANBABYS』
ギターボーカル・ジュンが飄々と歌い上げる楽曲群は独特な世界観の歌詞と激しく展開するアレンジが魅力のポップチューンが満載です!
新作『サラダボウル』のリリース、初の県外遠征を経てのライプは毎回『凄い!』の一言。

関連記事・ライブレポート『AKKANBABYS@Output〜April〜』

DAY1・出演バンド紹介『ANTI USE HEADZ』

人間離れした身体能力と魂の叫びがオーディエンスの心をガッチリと掴むボーカル・YOGO率いるAUHは沖縄ハードコアきっての元気玉!(Photo by DAITAKU)

多くのハードコアイベントで引っ張りだこのANTI USE HEADZ=通称AUH
時に重たく、時に早急に畳みかけてくる展開の激しいサウンドと、ボーカル・YOGOの人間離れした身体能力を駆使したステージングもその魅力の一つだが、短い言葉でなぜか会場を一つにしてしまう不思議なMCも毎回楽しみの一つ。新作音源のリリースも待たれる期待のバンドです!

関連記事・ライブレポート『ANTI USE HEADZ』

DAY1・出演バンド紹介『HELL型』

ガレージパンク、ニューウェーブから派生したテロイド・ミュージックと称される異端サウンド『HELL型』

今回1日目のイベント会場でもある、コザ・GIG STUDIO騒音舎を根城に活動し、ポリティカルでアグレッシブなメッセージ、メンバー4人の放つ凶暴な音とグルーヴ、どこをとっても唯一無二な超個性派バンド『HELL型』。
ひときわ異彩を放つそのライブは初めて体験する人の目と耳にこびりついてクセになっちゃうこと間違いなし!

関連記事・ライブレポート『HELL型』

DAY1・出演バンド紹介『R.A.G.S』

僕が初めて観た沖縄のハードコアバンドが「R.A.G.S」でした!
コザの7th Heavenで開催された「PUNX PICNIC」だから、もう10年近く前だと思うのですが、あの時の衝撃は今でも忘れてないです。
当時は男女ツインボーカルで、激しく畳みかけるサウンドと、強い言葉、これぞハードコア!という説得力の塊のようなライブでした。しばらく活動休止していたとのことですが、今回はどんなライブを観せてくれるのか楽しみです!

DAY2・2024/7/28(Sun)
那覇・ABD&TheHologramCity 10周年『久米騒動〜夏の乱・2nd〜』

18:00 OPEN / 入場 ¥2,000+1D(予約特典あり!)

出演:Limited Express (has gone?)、ワンチャイコネクション、NEED LEAD USER、SOW THREAT、虐げられた民、Archer Archer

FOOD:CAMINITO浦添(エンパナーダなど)

DAY2・出演バンド紹介『ワンチャイコネクション』

ぶっちぎりのライブ本数、コロナ禍の停滞ムードを払拭する一助となったフリーイベント『来来謝謝』の主催など、沖縄の音楽シーンを牽引する重要バンド『ワンチャイコネクション』

このWEBマガジン『沖縄地下音楽』をスタートするきっかけにもなったフリーイベント『来来謝謝』を主催し、沖縄ではダントツのライブ本数をこなすワンチャイコネクション
COWPERS、bloodthirsty butchersなどを彷彿とさせるエモーショナルな音楽性もさることながら、独特の世界観と優しさに満ち満ちた活動姿勢が胸を打つ特別なバンドだと思います!
東京・下北沢を根城に活動するMEGA Xとの交流と頻繁な遠征を経て、さらに磨きのかかったライブパフォーマンスは毎回必見、必聴です!

関連記事ロングインタビュー『ワンチャイコネクション』

DAY2・出演バンド紹介『NEED LEAD USER』

琉球西海岸メロディックハードコア・NEED LEAD USER

現在のメンバーですでに15年以上も一緒に活動してきているというNEAD LEAD USER
確かな演奏ととにかく明るい兄貴たちのライブはいつも超ハッピー!
東京のハシゴ系がYUKARI姐さんならば、沖縄のハシゴ系はこの人NEED LEAD USERのギターボーカル・シン。果たして、久々のハシゴ芸が炸裂するのか?しないのか?
そこは当日のお楽しみ!

関連記事インタビュー『NEED LEAD USER』

DAY2・出演バンド紹介『SOW THREAT』

沖縄唯一と言って間違いないステンチクラストサウンド・SOW THREAT

ショート&ロー&ノイジーな彼等の楽曲を一言で言い表すとしたら『琉球クラスト』だろうか?
激しく重戦車のような重さで畳みかけるライブステージは圧巻です!
県外のハードコアシーンとの交流も多く、主催する不定期イベント『NEO FUTURE GiG』では毎回アッと驚くラインナップで沖縄の音楽シーンに一石を投じてきた。
このイベントの前の週、2024年7月14日(日)にも東京からCOFFINSTODESTRIEBを招いて開催されるNEO FUTURE GiG 2024 THC 10th anniversaryも見逃せないですよー!

関連記事ディスクレビュー『SOW THREAT / Why?』

DAY2・出演バンド紹介『虐げられた民』

ラッパーとしての活動でも知られるTaix2(ex. 604)をボーカルに迎え、ウッチー(BADU ERYKAH)、45(AUH)、イオリ(ケンゴリアンズ, a&works)、DJ C-LINE(RECOGNIZE PRODUCTION)と、パンク、ハードコア、ヒップホップなどさまざまなジャンルのメンバーで結成された虐げられた民
色とりどりなそのサウンドは、言葉にすれば新感覚オルタナティブとでも言えば良いだろうか?
今回の7月号ではワンチャイコネクションのGOYA君との対談インタビューも掲載しているので是非チェックしてみてください!

DAY2・出演バンド紹介『Archer Archer』

圧倒的な存在感で観るものを魅了するボーカル・ヤカモ

Archer Archerのサウンドを言い表すとしたら、『青い炎のような音楽』とでも言えば良いのだろうか?
80’s NO WAVEを思わせるぶっきらぼうでクールな楽曲かと思えば一転、奈落の底に突き落としてくるようなハードコアアプローチ。まるでドラム缶を力任せにひっぱたいているかのような疲れを知らない轟音のドラムをバックに畳み掛けてくる短く激しい楽曲は高強度の鉄球のようだったり。
クルクルと表情を変えるライブステージを是非お楽しみに!
注意:多分ライブ短いから見逃し注意です!

関連記事ライブレポート『Archer Archer』

DAY1・DAY2出演
『Limited Express (has gone?)』

DAY1・DAY2のトリを飾るのはこのバンドLimited Express (has gone?)
会場狭しと駆け回るボーカル・YUKARIの無尽蔵の体力と存在感、オルタナティブ・ハードコア・シーンの最前線を突っ走り続けるバンドの揺るぎない活動姿勢は、まさに『ノンストップ超特急』!
日本全国から猛者を集めて開催される『メテオナイト』の主催としても知られるレーベル・less than TVの谷ぐち順がベースをかき鳴らすこのバンドの音楽は、オールジャンルを放り込んだおもちゃ箱のように自由で雑多で、とにかく楽しい!
注目の初来沖公演、どんなステージを観せてくれるのか、心から楽しみにしています!

沖縄地下音楽としては、初めてのイベント企画です!楽しんでくれたら嬉しい!

今回出演していただく12バンドを駆け足で紹介させていただきました。紹介文を書き綴りながら、今からワクワクが止まりません。
沖縄の音楽シーンを広く県内・県外に知っていただきたいという想いでスタートしたこの沖縄地下音楽、2024年9月で早くも1周年を迎えます。
ライブレポートやインタビューなどで沢山のバンドやお店に支えられながら続けてこられました。
県外のバンドを招いてのイベントを開催することで、沖縄の音楽シーンと県外の音楽シーンのさらなる交流に繋がっていくことを心から願っています!

『沖縄地下音楽PRESENTS・Limited Express (has gone?) 沖縄2DAYZ』
両日とも予約特典があります!
2日間両日ご予約の方にはスペシャルな特典が!
下記の予約フォームよりご予約ください。

イベント予約フォーム

DAY1・2024/7/27(Sat)
コザ・GIG STUDIO騒音舎
『コザだのに久米騒動〜夏の乱・1st〜』

18:00 OPEN / 入場 ¥2,000+1D(予約特典あり!)

出演:
Limited Express (has gone?)
生ず
EMPATHY
AKKANBABYS
ANTI USE HEADZ
HELL型
R.A.G.S

FOOD:
Vanqucia(カオマンガイなど)

DAY2・2024/7/28(Sun)
那覇・ABD&TheHologramCity 10周年
『久米騒動〜夏の乱・2nd〜』

18:00 OPEN / 入場 ¥2,000+1D(予約特典あり!)

出演:
Limited Express (has gone?)
虐げられた民
ワンチャイコネクション
SOW THREAT
NEED LEAD USER
Archer Archer

FOOD:
CAMINITO浦添(エンパナーダ)

Live Report

ライブレポート『THE STRAYMAN @ 第9地区』

ライブレポート:いっちょむ
絵や文を書いて生きてるひと。
沖縄県出身。
好きなものはライブとひじきの煮物。

2024年6月2日にABD RECORD’Sで開催されたフリーイベント『第9地区』のトリを務めたTHE STRAYMAN

毎月第一日曜日にABDにて行われているフリーイベント「第9地区」
生憎の雨模様の中で行われたにも関わらず、その日はABDのフロアを埋め尽くすほどの観客が集結していた。
その理由は非常にシンプルで、皆の心を惹くだけのラインナップが揃ったから。

トリ前の『ワンチャイコネクション』では狭い店内はすでにパンパン

5月の下北沢の遠征から帰ってきたばかりのワンチャイコネクション、その日サブスクでのリリースが始まり、ライブで披露していた新曲も好評な虐げられた民

そして、その日のトリを務めたのが、爆発的な熱量を発揮し続ける3ピースバンド、THE STRAYMANであった。

THE STRAYMANの私が常に抱いている印象だが、彼らの演奏は、その歌は、けして私を裏切らない。
いつだって私が期待しているだけの音圧と熱を届けてくれるという信頼がある。
だが、その信頼を良い意味で裏切られる場合もあって、その日の彼らの演奏は私の想定以上のものであった。

THE STRAYMANの鉄壁のコンビネーションが会場の熱気を煽りまくる

ダイゴの痺れるようなベースラインで鼓膜が震えて、ケンジのギターのメロディーに胸を掻き乱されて、カヅマの厚みのあるドラムの振動で身体が跳ねる。
個々のパフォーマンスが素晴らしいのは勿論だが、3人の音像が重なったとき、どれひとつ欠けてはならない音楽が生まれることにいたく感動する。
去年リリースされてもうお馴染みになった「ポーカーフェイス」「馬鹿な月」などの曲たちも、長年演奏されている「No Way」「Outside Party」ですらも、いつ聴いても新しく思えるし、実際その日見た「最新」の彼らがいつでも一番カッコいいと感じさせてくれる。

この日はまだタイトルの無い、出来たばかりの新曲も披露されたのだが、その最新作も必聴間違いなしの1曲で、まだ1度しか耳にしていないのに、また聴きたいと心が叫んで止まないものであった。
そしてそれはその場に居合わせていた観客たちも同じであったのか、彼らが最後の曲を終えてもアンコールが鳴り止まない。

ひしめきあうオーディエンスのアンコールに応えて演奏された『あの夏のルーディー』では大合唱!

そこでアンコールとして「あの夏のルーディー」が演奏された。
観客たちも混じえてのルーディーの大合唱がフロアに響けば、外のしとしと振る雨も歌っているかのように思えた。
終演後、人々がフロアを跡にしてもまだあの熱さがそこに残留しているかのようであった。
その日は彼らの歌に呼び寄せられて、一足先に夏が来たのかもしれない。

2024/06/02 THE STRAY MAN@第9地区

THE STRAYMAN公式X(Twitter)
https://twitter.com/THESTRAYMAN1

レポート by いっちょむ
https://www.instagram.com/icm_icm_/

関連記事:THE STRAY MAN@GIG昭和

Interview

対談インタビュー『虐げられた民&世界のGOYA』

インタビュアー:世界のGOYA
沖縄のロックバンド『ワンチャイコネクション』のギターボーカル。

虐げられた民・左から45(Ba)、Taix2(Vo)、イオリ(Dr)、C-LINE(Mani)、ウッチー(Gt)
Photo by DAITAKU

ハードコア??ヒップホップ??エモ??

2024/1/14に『虐げられた民』のレコ発がありました。
そこで見せつけられた、イオリのしっかりと音が鳴り続けタイトなドラム、45のルードかつ唸るベース、C-LINEのアンビエントかつヒップホップアプローチな上物、ウッチーの轟音・繊細なギターリフ、Taix2の心に棲みつく野獣を解き放とうとするリリックと歌声。
熱いのか冷たいのか分からない空間。
皆んなTaix2のリリックを聴こうとハウリングが起こるマイクからの言葉に必死になって耳を傾ける、あの瞬間。
そして、ウッチーが笑顔でギターを持ち上げるあの瞬間。
45が鋭い目つきで客席を見渡し、ルードなベースフレーズを叩いているあの瞬間。
C-LINEの指から織りなすグルーヴで有機的で無機物なフレーズを弾くあの瞬間。
イオリのフレーズのキメからシンバルを叩くあの瞬間。

超来来謝謝@桜坂セントラルでの『虐げられた民』
Photo by DAITAKU

わかっているのはたった1つだけ、この音楽は素晴らしい。

レコ発後、SSBでアルバイト中にいっちょむさんがお客さんとして遊びに来た時に、レコ発の話になり、いっちょむさんが不意に言った一言「虐げられた民ってジャンルとか何っぽいって伝えればいいですかね??」
確かになんと伝えれば、『虐げられた民』は伝わるのか。ハードコア??ヒップホップ?エモ?
そして、彼らの音楽的なルーツがやたらと気になった。
彼らとは仲が良く、一緒に飲んだ回数は恐らく100回は下らないし、たまに熱く深い話になったりもしていたのだが音楽的な根や影響は全く知らない。
いっちょむさんとのその会話がきっかけでインタビューを無理言って敢行した次第である。

ハードコア??ヒップホップ??エモ??
これを全て混ぜれば『虐げられた民』になるのか??
違う、『虐げられた民』はルースターズ風に言うと「最新型のロックンロール」だと思う。

何も正しくない、全てが正しい。
そんな想いにさせてくれる『虐げられた民』のインタビューをご覧下さい。

プライベートでも仲良しのシイタミ&GOYA。まずはカンパーイ!

『虐げられた民』結成秘話

全員:お疲れ様です。ヤーマン!

ゴヤ:『虐げられた民』は結成してもう何年目ですか。

Taix2(ボーカル※読み方はタイタイ):何年目っすか?

ウッチー(ギター兼ABD RECORDS BARのオーナー):2020年の4月ぐらいか2020年の6月ぐらいなんだよね。

Taix2:なんか2021年の4月ぐらいに 初ライブみたいな感じじゃなかったっけ?

イオリ(ドラム):3月っすね。

ウッチー:ん?2021年の3月?

Taix2:新エヴァを一緒に見に行ったじゃんね?アレ覚えてる?

イオリ:あはは、覚えてるよ(笑)

Taix2:新エヴァの年に初ライブです!(※この映画は2021年3月8日公開)

ゴヤ:結成は誰が最初にやろうって言ったの?5人同時にやろうって感じじゃないでしょ?

ウッチー:(自分とTaix2を指さして)最初はこの2人。

ゴヤ:ウッチーさんとTaix2が最初にやろうって決めて?

ウッチー:そこにさ『廃色』があるんだけど、『ワンチャイコネクション(沖縄で活動するゴヤが所属するバンド)』がABDでワンマンライブをやってくれたのが2020年の6月だと思うんだけどそん時にTaix2がお客さんで来てて、この『廃色』ね、これをもらって車で通して聴いてみたら、『お!面白いじゃんこの人』と思って。で、興味を持ったら、Taix2がフォークの弾き語りみたいなのもやってるから録音したいと。
当時はコロナの渦中で店できないじゃん?それでTaix2のソロのレコーディングプロジェクトを始めたの。

Taix2がラッパーとしてリリースしたアルバム『廃色』を手に経緯を語るギター・ウッチー

45(ベース※読み方はヨーゴ):へ〜、それは知らんかった。

ウッチー:それで、曲がこんな感じだったらバンドでできたらすごい面白いのにねって言ったら、速攻でTaix2がイオリと45を連れてきた。

45:俺が先だったかな?多分。

Taix2:そう、45さんが先。
45さんに先に連絡して、俺の知ってるバンド界隈の中で、やっぱ1番音楽の才能があったから。45さんが。
なんか、ラッパーの時からずっと客としてアウトプット(那覇市牧志のライブハウス)とかには行ってたんですよ。
その時にはいろんなバンドの知り合いとかいたし、45さんが天才なのを知ってたけど、でも45さんは子供とかいるし、「とりあえず今忙しいっすか?」って聞いたんですよ。
そしたら、「ワラバー(沖縄の方言で子供の意味)の世話とかが中心かな。」みたいに言われて、「なんか最近こういうバンドっぽいのやってるんすけど、ちょっと1回やりません?」みたいな。

45:最初、なんかABDって新しい場所があるから行こうって言われて、普通だったら断りそうな感じだったんだけど、その時はなぜか行くって言って、それが最初だね。 
で、店に入ったら「なんか照明が暗いな〜」みたいな(笑)。それで隅っこに座ってウッチーさんと喋りましたね。

ウッチー:45って最初はめちゃめちゃ俺の事を警戒してたよな?(笑)

Taix2:ウッチーさんと出会った時は俺もウッチーさんの事を警戒してた。

ゴヤ:俺もだよ!

全員:笑

ウッチー:そうね、出会いたてはみんなが俺に対して「なんだこの親父?」みたいな感じだった(笑)

Taix2:大人がね、周りが怖い大人だらけだったからやっぱ警戒してたね。

ゴヤ:それで頑固そうだったから余計にそう思った。
怖いだけだったらまだいいけど、頑固そうなのが1番嫌だったよ。
ウッチーさんは見た目通りな頑固な人ですよ(笑)

ベースの45。初めてABDに来た時には少し警戒していた??

バンド名『虐げられた民』の由来は・・・

45:で、初めてABD行った時にはもうバンド名はもう決まってたんだよね。

ゴヤ:え!?そうなの!?

ウッチー:いやいや、決めてたんじゃなくて、45とTaix2と3人で話してる時にバンド名をどうしようかな。みたいな話になったんじゃなかった?

45:いや、俺が聞いたのは、なんかやってもいいけどバンド名は俺が絶対決めるみたいな条件をウッチーさんが言って・・・

ウッチー:あれ?そうだっけ?

Taix2:俺がまだウッチーさんを警戒してる頃にキャンプ行ったんですよ。
その時にウッチーさんにバンドやろうよみたいなこと言われて。
「いいっすけど、どうせなんか俺バンド向いてないっすよ。なんかすぐ解散しますよ、俺、協調性ないし。」って言ったら、ウッチーさんに「大丈夫、バンドマンみんな協調性ないよ」って言われて。
「いいっすけど、俺めっちゃめちゃ我が強いんで、ボーカルしかどうせできないっすよ」みたいな。
2回ぐらい別バンドのベースに誘われたけど、全然ダメだったから。
やっぱなんか人と協力して何かやるの向いてないっていうのがあった。

ウッチー:そうだ、思い出した!
Taix2ってちょっとキリストっぽいところあるじゃん。見た目!見た目ね! 
それで、『虐げられた民』って面白くね?って言ったら、そしたらその車内がもの凄い爆笑で「それしかねえだろ!」みたいな。
Taix2はちょっと不愉快そうだったかも。

長い髪と長身、その風貌が確かに『虐げられた民』そのものなTaix2
Photo by DAITAKU

Taix2:俺はその時はよく分かってなかった。
その時は俺がバンド組むっていう事への不安が勝ってたから。
絶対解散するっしょ、俺が人と協力してやるとか無理でしょって。

ウッチー:そうかぁ、それ、45と話す前なんだ。

45:ま〜もうそれで(バンド名)決まってたね。

Taix2:そう、名前だけはウッチーさんが名前だけは俺に決めさせてつって、
あとはもうTaix2の好きにしていいから、みたいな。

45:そん時、俺は色々な事情で他にやってたバンドが動いてなかったから、とりあえず「じゃあやります」って 2つ返事ぐらいで。

ワンチャイが親ですよ。『虐げられた民』の親はワンチャイですよ。

Outputのイベントに居合わせたTaix2に拉致られてきたドラム・イオリ(左)

ゴヤ:イオリどうやって加入したの?

Taix2:コロナ禍に友太郎さん(上述ライブハウス・アウトプットのスタッフ)が企画した『駆け抜けて性春』って2daysイベントがあってそこで知り合った感じですね。
(※上記のイベントではTaix2はソロのラッパーとして、イオリはPada=Wanのドラムとして出演)

イオリ:自分がそのイベントの初日に出演して翌日にまたイベントに遊びに行った時にTaix2が出演していて、カーズーさん(ワンチャイコネクションのボーカルギター)にTaix2を紹介されたって感じでしたね。

イオリとTaix2の出会いはこの『駆け抜けて性春』・・・あ、これ濃いヤツだ(笑)

ウッチー:あ!?その前は知り合いじゃないの?

イオリ:その前は知り合いじゃないです。初対面です。

ゴヤ:根本にほとんどワンチャイ絡んでるんだ(笑)

Taix2:ワンチャイが親ですよ。『虐げられた民』の親はワンチャイですよ。

ゴヤ :で、紹介されて、Taix2からやりませんか?って感じだったの?

Taix2:やっぱあの時はコロナの最中だったし、なんか色々閉塞感があって個人的にも色々ごたごたがあったし、色々、「わーっ!」ってなってた時のイベントでほとんど客もいなかったから、そのイベントのライブで「わーっ!」ってぶちまけたら、イオリさんがめっちゃ褒めてきてくれて、俺から「バンド組みたくて、ドラマー誰にしようかって悩んでんすよねABDっていうところあるんですけど、来ないっすか?」って感じだったと思う。

いつも楽しそうにドラムを引っ叩くイオリ。もう一つの在籍バンド『ケンゴリアンズ』ではまた違ったスタイルの超パワープレイを聴くことができる
Photo by DAITAKU

イオリ:『虐げられた民』で初めて練習したのは多分あの沼ビル近くの、、、
(※沼ビルとは那覇市壺屋にある飲み屋がひしめくビルの事。一度入ると楽しすぎて沼のように出にくいことから。)

Taix2:那覇劇場?(※那覇市にあるリハーサルルーム)

ウッチー:そうだ!那覇劇場で最初やったんだ!

イオリ:那覇劇場で最初練習に入ったの。そこで、じゃあ合わせてみようみたいな。

ゴヤ:えー、そうなんだ!ABDでみんなで集まってセッションして、それで誘ったのかなと思ったら全然違う。

Taix2:そんな爽やかな感じじゃない。

ゴヤ:ドロっとしてたの?ドロっとしてんのウッチーさんとTaix2だけだとおもってた。

ウッチー:もうイオリに至っては拉致られて来た感じ。 Taix2が拉致ってきたみたいな。

Taix2:そう基本的に俺が拉致ってきてる感じはある。 C-LINEは45さんが拉致ってきたんだ。

ゴヤ:イオリは最初に入った時はどう思ったの?

イオリ:う~ん、入った時は「どうなるのかな?」みたいな。

45:俺とイオリは、一瞬だけa&worksでスタジオ入った事があって
それで面識はあったからこっちは大丈夫だった。
(※a&worksとは沖縄で活動するメロディックエモバンドの事)

Taix2:そうそう!そうだ!45さんに聞いたの覚えてるわ。イオリさんっていう人を入れようと思うんですけど、どうすかって言ったら、一瞬バンドやったことあるから全然大丈夫って。

打ち上げとかみんなで飲んで遊んだりとかしてたら後日、45からメール来て・・・

45(右)に誘われてシイタミに参加する羽目になったC-LINE(左)。

ゴヤ:あと最後ですよ。最終兵器のC-LINEは45が誘ったんだよね?45とは元々知り合いだったの?

C-LINE(マニュピレーター※読み方はシーライン):元々知り合いでした。

45:でもそんなに喋んなかったっすよね。

C-LINE:45とは知り合いの結婚式で一回会って….
それでちょうどその時に自分がギター買ってバンド見に行きたくなって、アウトプット通い始めた時にTaix2と久しぶりに会って「俺、今バンドやってるんで、見に来てくださいよ。」って。
それでちょこちょこ『虐げられた民』を見に行ってたんですよ。
そしたら「Taix2かっこいいじゃん!」みたいな。
それで打ち上げとかみんなで飲んで遊んだりとかしてたら後日、45からメール来て・・・。
みんなで集まるから遊びに来てみたいな感じで遊びに行ったんですよ。

Taix2:よく入ってくれましたよね。

全員:本当に!!

サンプラーを駆使して『シイタミ空間』を演出するC-LINE
Photo by DAITAKU

Taix2:奇跡ですよね。
なんか、あの時期は本当に4人でやっていくのかなって。
誰も入ってくれないだろうみたいな・・・。

45:俺的にはもうなんか5人でやりたくて、なんか入れるんだったらもう、なんか飛び道具系だなと思ったから、もう「C-LINEっ!」て感じだった。

謎に包まれた、それぞれのメンバーのバックボーンは??

シイタミ個々のメンバーの音楽的なバックボーンに興味を惹かれたのがインタビューのきっかけだったGOYA

ゴヤ:次のテーマ、これ重要!これ1番俺が聞きたかった!
みんなのバックボーンですよ。なんで楽器を始めたかということが1番聞きたい・・・影響を受けたやつというか。
イオリはドラムはいつから始めたの?

イオリ:多分、ちょっと家に引きこもり気味だった時期に、親にドラム習わない?みたいな感じで・・・。
全然興味なかったんですけど、「わかりました!やります!」って感じです。
それでダラダラ1年かけて8ビートが叩けるぐらいの感じで最初始めました。

全員:いい親だ!!

ゴヤ:好きなドラマーとかさ、どういう音楽が好きなの?

イオリ:う~ん、今は結構ブラックミュージック系の楽曲を結構好きで漁って聴いていますね。

ゴヤ:やっぱそういうのもドラムを中心に聴いてるの?

イオリ:結構ドラム中心ですね。 なんて言えばいいんですかね、元々好きではあるんですけど
『虐げられた民』を始めてからよりそのリズムアプローチというか情報を取り入れるために聴き漁ってますね。

最近はブラックミュージックの楽曲を聴いて影響を受けているというドラム・イオリ(左)とギターを弾き始めたきっかけはVan Halenだったというギター・ウッチー(右)

ゴヤ:ウッチーさんはギターはいつから?

ウッチー:中学校2年の時にVan Halenで!

ゴヤ:Van Halen!キタ!(笑)

ウッチー:だけど、日本でもラフィンノーズとかブルーハーツとかパンクムーブメントがバーンって来てた時だったから、そのルーツにあるのがセックスピストルズとかクラッシュとかダムドとかそういうのだったから、最初はメタルだったんだけど、すぐそういうパンクロックの方を聴くようになった。

45:みんなウッチーさんにそういうイメージないかもね。

ウッチー:さっきインタビュー前にブリティッシュの話をしてて・・・そのブリティッシュパンクがすっごい好きで、バウハウスとかあと、テレビジョン!
ニューヨークパンク、ブリティッシュパンク。そういうの、めっちゃめちゃ聴いてたね、高校ぐらいの時に!

Van Halen→PUNK→ソウル、JAZZと色々混じったスタイルのウッチー
Photo by DAITAKU

ゴヤ:そういう影響とかもギターのフレーズとかで生きてるんですか?

ウッチー:あんまり練習しなかったからさ(笑)。活きてるか分かんないけど。
でもね、そのあとバンド活動とかもしたけど、ソウルミュージックとかそっちに傾いてた時期はもうギターは全然弾いてなくて、サックスばっかりだったから。
その頃は黒人音楽ばっかり、ソウルとかファンクとかJAZZばっかりだったからなんとも言えないね。そういうのが色々混じって影響は受けてると思う。

ダジャレって、禁句ワードで凄い蔑まれるぐらいの文化なのに、それをなんかフル活用して歌詞を完成させて、こんなかっこいい歌が作れることあるんだみたいな!

以外にも高校ではダンス部だったというボーカル・Taix2。キングギドラのラップに触れて衝撃を受けたという。

ゴヤ:Taix2がラップ始めたきっかけは?

Taix2:高校の時にダンス部で運動神経悪くて全然ダンスできなくて・・・普通にコミュ障だし、空気読めないから、いじめられてて・・・
それはいいんだけど、その時に、RHYMESTERのB-BOYイズムとかICE BAHNのJack Hammerとかで踊るのが俺は得意で。
普通はブレイクビーツでみんな踊るんだけど、そうじゃなくて普通に日本語ラップ、日本語の曲で意味に合わせて踊るのとかが結構ウケたりして。
そん時は、ダンサーだから自分の得意な分野のダンスで踊れるようになろうと思って、そういう日本語のやつ聴いてたんだけどその時に一緒にダンスやってた、後に「ルキ」っていう名前で活動するやつがいるんだけど、ルキともう1人めっちゃダンスうまい奴がラップ始めて、その影響でラップ教えられて、キングギドラの「リアルにやる (MURO Remix) 」を聴いた時にめっちゃいいなって。
なんかすごいダジャレって馬鹿にされる文化じゃないですか? 
『布団が吹っ飛んだ』とか、『アルミ缶の上にあるミカン』っても言っちゃいけないぐらい。
なんか、禁句ワードで凄い蔑まれるぐらいの文化なのに、それをなんかフル活用して歌詞を完成させて、こんなかっこいい歌が作れることあるんだみたいな!

ABDに初めて来た時は20代でやってきたことが全部がぐっちゃぐちゃになっちゃって、どうしよっかなってフラフラしてる時に、ワンチャイのカーズーさんが1,000円でABDでライブするよって教えてくれて。
あの時は居場所を求めてて「これからどうしようかな?」ってフラフラしててABDにたどり着いたら、ちょうどワンチャイのライブが終わってて・・・
うわ見逃したって言ったら、「大丈夫大丈夫、Taix2来たからもう1回やる!」って言ってくれて、ワンチャイがライブ2回やってくれた(笑)

ゴヤ:そうそう、ワンマンライブだったから「もう1回やる!」って出来たんだよ!
そうだ思い出した!

Taix2はウッチーさんとかと初対面でABDも初来店だったのに、お酒飲んで寝てるTaix2の事を俺とカーズーは置いて帰ったんだよ(笑)
その時にライブ後にセッションが始まって楽器とか皆でやっている中で、知り合いが俺とカーズー以外いないTaix2が急にステージ上がってラップ始めて、それ見てウッチーさんが「ああいう風に勇気持って飛び込むやつはかっこいい」みたいなこと言ってて、「へ~」って思った。

45:全然、刺さってない(笑)!!

急にウッチーさんがスティックで叩くサンプラー持ってきて「これでなんかできないか?」って。
「できるわけないだろ!」って感じでした(笑)

一時期はプロを目指すほどのスケーターでもあったC-LINEが音楽に目覚めたきっかけはRecognize ProductionのS.G.K。別のインタビュー記事でもディープなエピソードが読めますよー。

ゴヤ :じゃあC-LINE!!

C-LINE:最初に楽器を触ったのは多分高1ぐらいの時にスケボーで足折って何もすることがなかったんですよ。
それで近所にバンドやってる子がいたから「ギター教えて」みたいな感じでギター触ったのが初めて。

それから今も一緒に遊んでいるスゴヤさん(Recognize ProductionのS.G.K)って人とずっと遊んでて、熱血(那覇・国際通りの老舗クラブ、残念ながら2024年4月に閉店)行って始めてDJ見て。
俺もやりたいなって、HIPHOPとあと最初はハウスもやってたかな。
そっからブルーハーブのO.N.Oが大好きだったからビートを作ろうってなって、MPC(サンプラー)で作り始めたのが20か21から。

スケーター現役時代のC-LINE。しにかっこいい。
Photo by HALTAC

Taix2:じゃあ、O.N.Oがきっかけなんですか?

C-LINE:O.N.OとかDJ KRUSHとかかな。
DJが19歳ビートメイクが21歳だったはず。
最初、『虐げられた民』の話をしに来た時はなんかdubのミキサーっぽいこととかもやってほしいみたいな話なって・・・やったことないのに(笑)
そしたら急にウッチーさんがスティックで叩くサンプラー持ってきて「これでなんかできないか?」って。
『できるわけないだろ!』って感じでした(笑)

ウッチー:無茶ぶりばっかりだったな~(笑)

C-LINE:それからウッチーさんに飲んで飲んでって言われてご馳走になっていたら
急に「 ほんとに虐げられた民に入って大丈夫なの?」って言われて。
「あ、もう入ってるんだ俺」って思いましたもん(笑)

ゴヤ:あ、なるほど!ぬるっと入った感じだったのね。

Taix2:多分みんなぬるっと入っている。誰も覚悟なんか決めてない(笑)

ウッチー:多分、45とC-LINEは試しにABDに遊びに来てみない?ぐらいで言われてるわけだろう?(笑)

C-LINE:こっちはお酒もご馳走になってる訳だから断ろうにも断れない(笑)

Taix2:皆、なし崩し的に入れられてる(笑)

C-LINE:もう下半身ズブズブ入ってる感じ(笑)
machine(サンプラー)は使ってるんですけど、それをシンセサイザーとしてもあんま使ったことはなくて。ビートメイクでちょっとベース打つぐらいだったんですけど、みんなの弾いているコードに合わせてとか考えるとかはまだ慣れてないですね。

ウッチー:でも結果的にさ、やっぱ生演奏するライブバンドだから、結局C-LINEもサンプラー使って生演奏してるわけじゃん。
よくコイツできるなと思って・・・なんかすげえなコイツって!

ゴヤ:あとC-LINEの音の選び方が超いいな。それは毎回思ってる。

ウッチー:なんか45とかがさ、「テルミンみたいな音で!」とかって無茶な音の注文してくるのを次の練習の時にはもうできるようになってて。

Taix2:マニュピレーターってやっぱ俺もそうなんですけど、勝手になんでもできるイメージが。

ゴヤ:俺も。俺も。

Taix2:C-LINEが1番無茶振りされてる人だと思います。いつも無茶振りされてる(笑)
なんかロケットみたいな音出して~(笑)
なんか加速する音出して~とか(笑)

C-LINE:machineをこんなに使えたんだって思うぐらい使いきれてなかったんだなっていうのはすごい分かったっすね。
こんなことできるんだっていうのはすごいなあ。勉強になりました。ありがたい。

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独特の感性で音楽に一石を投じるベース・45。どこにバックボーンがあるのか、本人にもよくわからない?!

ゴヤ:最後ですよ。裏ボスですよ。

45:バックボーンはマジで自分でなんか、なんて言うんだ。 
でもマジでバックボーン全くないですけど。
とりあえず、音楽始めた流れはマクドナルドで働いてて、毎月辞めるやつがいて「卒店式」って店を卒業する式みたいな、なんか結婚式場とか借り切って皆で追い出すみたいな、盛大なこと結構やってて。
それで舞台とかあるからじゃあちょっとバンドやってみるかみたいな感じで、「ラルクやるか!」みたいな流れになって、もう何のベースとかも覚えてないですけど、2、3万ぐらいのベースを楽器屋で買って一生懸命練習したけど、結局自然消滅で、やらんくなってみたいな・・・。
それが18歳ぐらいで、それでもう速攻で押し入れにベースは行って。
また音楽やるきっかけになったのは、その当時の会社でPARANOiAのボーカルやってる木下と会って、同い年なんすけど。
それで、なんかバンドやりたいみたいな感じになって、そっからって感じですかね。
ベースもたまたま持ってるよってなって、本格的にやったのが、22歳か23歳ぐらいですかね。
(※PARANOiAとは45がベースで所属していた、沖縄で活動するバンド。読み方はパラノイア)

アグレッシブかつ超個性的なベースラインを急に弾き始めるバックボーン不明の天才・45
Photo by DAITAKU

ゴヤ:どういう音楽聴いてたの?

45:そのタイミングまではマジで普通にメインストリームのJ-Popしか聴いてなかったっす。俺は。

ゴヤ:なんかさ、45が弾くベースって結構、独特だと思うわけよ。

ウッチー:凄い独特だよね!

ゴヤ:だから、何聴いてんのかな?って思ってるわけ。
例えば、他のメンバーとかはぼんやりなんだけどバックボーンが見えるわけ。
でも、45に至ってはバックボーンが全く分からない(笑)

45:それは自分でも思うかも。

ウッチー:そう。サイレントモノクロームっていう曲があって、それ最初リモートで作ったの。
たまたまギター弾いてたら、「あ!このコード進行いいな!」と思って、それでリフだけ作ったの。
で、45に送ったら、すぐベースつけてきて。
それがなんかすごかったのよ。「何!急にこれ!?」と思って。それでびっくりして。
それをバンドに持ってきて「これどうね?」って言ってやって作ったのがあの曲だった。
でも45からそんなベースラインは今まで聴いたことないんだよね。うん。 
他の曲も作ったり、一緒にリハやって、ライブやってきてたのに。

Taix2:どうやってベースライン作ってるの??

45:いや~~~~わかんないっす(笑)

全員:爆笑

お互いのバックボーンの話などで盛り上がるシイタミメンバー達。割とお互いのことを話すことは少ないのだとか。

45:でも聴いたことない音を多分弾けないと思うから、なんかどっかで聴いてるんだと思う

ウッチー:けど45はね、マイナーコードじゃないと弾けないんだよ。

45:確かに全部マイナー。でも一応もらったやつで、なんかある程度響きがあるギターだったから。
で、1音目が決まったら結構そっからもう浮かびやすいかも。 
理論とかわかんないから、頭の中でこの音とかじゃなくて、一旦触って実際に音出しないとわかんないんで、それで1、2音が出始めたらそっからは割と進むタイプって感じ。

Taix2:本当に天才なのこの人。まじで、なんなんだろうな。

ウッチー:(45に)お前だけ褒められてるな(笑)

Taix2:俺が前住んでいた家の時にさ、なんか変なサンプラーみたいなの持ってきて。
それもなんか、なんか使い方わかんないけどいじってみるわって言って、凄い演奏しだしたじゃん?
急にこういう感じか。みたいな。

ゴヤ:音楽的な勘がいいんだろうね、相当

45:でも、そこで止まっちゃうのもあるんすけどね、極めきれないっす。なんか、

Taix2:なんかこう、45さんって物事の本質みたいなものを掴むスピードとか能力がえぐくて、 それで分かったってなって、極めないだけだと思うんだけど。
もう、ラップとか書いてても1作目、2作目ぐらいで、本当に普通にいいラップをしだして。
「えーーーー?」みたいな(笑)

ゴヤ:この5人に関しては、天才なんだけど癖が強くて孤高すぎるっていつも思ってる。
俺は音源聴いたときにフレーズとか歌詞とかメロディーで誰が弾いてるかって他人がわかるのが1番いいと思ってるわけ。
C-LINEが弾いてるなとか、これ45弾いてる、ウッチーさんが弾いてるリフだなとか、イオリが叩いてるドラムだなとかって、それが音でわかるってすごい俺は大事だと思う。

45:なんか1人1人独立してるって感じですかね?

ゴヤ :独立国家なんだけど、なんかみんなが集まって共和国みたいな感じ。

45:共和国って曲の作ってる感じとかまさにそんな感じです。
自分のフレーズに対して「なんか覗かれてんの?」ってぐらい皆が反応しますね。

ウッチー:もうイオリと45はほんと癖の塊!

45:お互いのフレーズ、「じゃあそっちがこうしてんだったらこうするね」みたいな会話全くなくて、好きなフレーズを弾いている(笑)

ウッチー:コード進行とかも決めてないからね。
そのまんましたらつまんない、普通だしって。
そもそもさ、Taix2の作曲が最悪で(笑)
アカペラでさ(ひざを手でパンパン鳴らしハミングを口ずさみながら)
こういうのを送ってくんだよね、「こんな曲できましたっ!」て。(笑)
最初はさ、俺がコードつけたりしてたんだけど、C-LINEが入ったら俺より反応が早くて、「これいいね!!」って言ってコードつけてきてくれたりするの、もう、しめしめみたいな(笑)

45:C-LINEの存在助かるさ。

C-LINE:ありがたいっすね(笑)

45:孤高か・・・確かにそうかもね。

イオリ:でも結構個人的には合わせに行くつもりだったんですけど、外から見たらそんな感じなんですね(笑)

ゴヤ:みんな自分勝手なんだけど、なんか「バス!」って合わせる時はめっちゃ合ってるみたいな。
1つの楽曲として聴いたら「おおやべえ!」って思うのよ毎回。
でも1人1人に癖が超あるから、それが『孤高』って感じ。 

バンドメンバーのモチベーションを考えると、どこかでちょっと打破しないとまずいよなって思って

ちゃんと自己主張しないとちょっとやばいかもしれないという危機感から、最近は主張するように。なってきたというドラム・イオリ。新曲DRUMNでは目まぐるしく展開してゆくプレイで楽曲全体を引っ張っている。

ウッチー:意外とジャムから曲作った事ってあんまり無いよね。

45:直近のやつはないね。

ウッチー:ジャムいいやつあるんだよね。
なんかいい感じだったなと思うけど、そのまんま忙しくて忘れちゃって。

ゴヤ:多分そういうのも作ったら面白そうですね!
曲から先に作ってTaix2にこれに合わせてみて。みたいな。

ウッチー:セッションで時々「これ、めちゃめちゃかっこいい!」って思う時あるんだよ。
あと、イオリがタメとかも意識してタメてきたりとかが増えたよ。

Taix2:イオリさんが自己主張してきてから、めっちゃ面白い。良くなった。

イオリ:ありがたいです。

ウッチー:すごいどっしりした感じがするな。

Taix2:イオリさんが自己主張するまでまで長かった(笑)

イオリ:なんで自己主張しようかなと思った理由がありまして・・・。 
最近、曲とかも結構、作ろうとしてもまとまらなかったりとか、ライブの出来に落ち込んでたりとかあったんですけど。
バンドメンバーの中で同じ曲を毎回演奏する事への飽きみたいな・・・
そこのモチベーションを考えると、どこかでちょっと打破しないとまずいよなって思って。
それで、ちゃんと自己主張しないとちょっとやばいかもしれないっていう危機感に駆られてやったことかな。

45:へ〜それは知らんかった。

イオリ:自分の中でバンドでこれをやりたい!っていうのがあったりとかして。
さっきの不安と、「これやりたい!!」の半々の感じから自己主張するようになりましたね。

ゴヤ:来来謝謝5に出てもらった時に見て、その時はほんとに『虐げられた民』に嫉妬した!マジで! 
全員に対して、ABDでやったレコ発もそうだったけど、なんか俺いいライブ見ると嫌だなと思うんだけど、すごい、てっぺんで嫌だなと思った。
どうやったらこのバンドに勝てるんだろう?って毎回思うわけ。
(※来来謝謝とはワンチャイコネクションの主催のチャージ無料イベント)

Taix2:そうお互いに思ってるからね。
別に俺もワンチャイに対して思ってるから。

ゴヤ:イオリの最近の自信のつき方には、本当に嫌だなと思ってる(笑)

全員:爆笑

ウッチー:それはお宅の歩くん(ワンチャイコネクションのドラマー)も一緒じゃない?
俺だって嫌だなって思ってるよ(笑)

イオリ:最近の歩さんのドラムってめっちゃピストルみたいにスパンって音がして。
めちゃくちゃかっこいいですよ!!

ゴヤ:だから、お互いに嫌だなって思うライブをやっていこう(笑)

ウッチー:それが1番いいんだよ。

Taix2:不快感を与えあうライブをしましょう(笑)

ウッチー:でも最近ちょっとワンチャイのチューニングが甘くなってるよ(笑)

Taix2:でも前の第9地区のワンチャイめっちゃかっこよかったけどね。
ベストアクトぐらいかっこよかった。
(※第9地区とはABDでほぼ毎月第1日曜日に開催されるオープンスペース)

謎タイトル『寿司屋の気が触れないように』・・・ってなんで?

ゴヤ:『虐げられた民』もかっこよかったよ!もう歌えるぐらいに聴き込んでる!

45:Taix2の歌詞もキャッチーだからね。

いっちょむ:ゴヤさん、いつもライブで「コンビニ(アルバム10曲目収録)」の時に熱唱してますよ。

Taix2:あ!?あれゴヤさんの声だったんだ?
なんか誰かがコーラスで歌ってると思った。
サビの「あの腐ったオフィスから~♪」って、めっちゃなんか耳元で聴こえるから45さんとかがコーラスで歌ってんのかなと思ったら、あれゴヤさんだったのか(笑)

45:1番気持ちが入るところですね。歌いたくなるよ。

いっちょむ:『虐げられた民』のレコ発の時にカウンターのDJブースの所でめちゃくちゃ歌ってるゴヤさんがいて、すごい!この人、全部歌ってる!って思いましたよ(笑)

45:ゴヤさん、『虐げられた民』でどの曲が好きですか?

ゴヤ:今はアルバム2曲目の『寿司屋の気が触れないように』かな。めっちゃ好き!

ウッチー:あの曲ってさぁ、ルイ(※結成当時のリードギター)の持ってきたリフからABDでアレンジしてたの、そしたら音うるせえじゃん?
で、1階で寿司屋が営業してて、「ABDってライブバーだから、うるさかったら言ってね」って事前に連絡先教えてあったんだけど。大将が電話してきてさ、べろんべろんに酔っぱらった寿司屋の大将から電話かかってきてさぁ、

「ウチダさん、今お客さんいるから演奏やめて!あんたたちのビートじゃ寿司握れないよ!!」って。

全員:爆笑

ウッチー:さすがに吹き出して(笑)
「俺たちのビートじゃ寿司握れない」って言われたぞって大爆笑して。

Taix2:その後、それを録音してイオリさんに共有して、イオリさんから送られてきたたタイトルが「寿司屋の気が触れないように」だったんですよ(笑)
センスあるなと思った。

ウッチー:歌詞の内容と全く関係ないね。ラブリーな曲なのに。

イオリ:寿司屋に怒られてドラム叩けなくて、パッドでやった。

ウッチー:そうだそうだ!パッドでやってた。うん。

45:あのリズムはそっからだもんね。

ゴヤ:寿司屋をライブで見るたびに毎回泣きそうになる。あの曲を19歳の俺に聴かせたい!

Taix2:19歳の時はどんな感じだったんですか?

ゴヤ:良くなかったっすね(笑)
いや、違うな。22ぐらいの時の俺に「本当に聴いてって、これが今のお前に合う曲だぜ」って。

Taix2:22歳位ぐらいの時はどうだったんですか?

ゴヤ:良くなかったっすね。

全員:爆笑

空間の歪みから生まれた5人だよ。

ゴヤ:最後に新曲のMVをですね、フライングゲットしまして
あれはタイトルはドラムンベース?ってタイトル?

Taix2:あれは、「DRUMN(ドラムン)」でいい。
Ragga(アルバムの5曲目収録)と同じ感じで、うん、タイトルが思いつかないから。

ゴヤ:そのMVを見た時に『虐げられた民』の事を表す言葉が見つかって 「日常の中にある歪み」っていうのが『虐げられた民』って感じがする。 
MVも含めて、監督さんはすごいそれを表してるなってめっちゃ思ったんですよ。
日常の中にあるハッピーとかを歌ってたりとかがアッカンベイビーズだと思うのよ。
(※アッカンベイビーズは沖縄で活動するバンド)

Taix2:昔、45さんに言われたのでちょっと印象残ってて「Taix2は親からじゃなくて、空間の歪みからぐにゃんって生まれたんじゃないか」って(笑)
あー、なんかあ、すごい言いえて妙だなと(笑)

ゴヤ:じゃあ、空間の歪みから生まれた5人だよ。
本当!それはめっちゃあると思うよ!
『虐げられた民』の事を支持してる人数はメチャクチャ少ないと思うけど、支えてるやつの力は1人1人相当強いと思う。

全員:爆笑

Taix2:映画の300(スリーハンドレッド)みたいな?

ウッチー:やっぱりニッチっていうことですか?

ゴヤ:あ!でもね、それがうまいことポップにも聴こえるんだけど。

Taix2:うん、メロディーはキャッチーだと思う。こんだけキャッチでポップなメロディー使って、ニッチなファンしかいないって・・・・毎回ね、なんかandymoriとか宇多田ヒカルとか参考にしてんのに。なんでだろうね。

ゴヤ:リミエキ(Limited Express (has gone?)の略)とかも、結構演奏がすごいけどポップに聴けるじゃん?だから『虐げられた民』とすごく近い!
さっきちょっと話したけど、ウッチーさんとリミエキが繋がってなくて、ワンチャイが繋がったとしても絶対に『虐げられた民』を紹介してたと思う!

Taix2:あのベースの人の「自分は免れる〜♪」みたいな曲あるじゃんね?※
自転車乗りながらのあの人めっちゃ好きなんで、そっちも楽しみ。

ウッチー:Fucker!!(※リミエキのベース・谷ぐち順のソロ名義)

ゴヤ:絶対良くはなる!ってしかもう見えないイベントだなって思う。

Limited Express (has gone?)来沖のきっかけは?

谷ぐち順のレーベル『less than TV』は憧れのインディレーベルだというウッチー

Taix2:どういう流れでリミエキが来るってなったんですか?

ウッチー:リミエキ自体はもう沖縄に来る前から知ってて、バドゥエリカの頃に共演もしてるし・・・
俺からすると谷ぐちさんはもう、憧れのレーベル・less than TVのオーナーでさ。年は同じぐらいなんだけど、すごいずっと尊敬してる人でもあるんだよね。
憧れが強すぎて、ライブもすげえから一緒にライブやってもライブ会場では話しかけづらい(笑) 
だけど、キンピラ君っていうバドゥエリカのボーカルの弟がいて、そのキンピラ君が最初バンドで沖縄に来たいって話があって。

ウッチーが在籍するBADUERYKAHは多い時には13人くらいの大編成の時も!

そん時に「リミエキも声かけたら、一緒に行こう!行けたらいいね!」って言ってましたよって言うから、「おお、絶対来いよ!」って言ってたの。
そしたら、キンピラ君のバンドのメンバーが夏場ちょっと都合が悪くて来れなくなっちゃったの。
だけど、リミエキのメンバーみんな行きたい、沖縄実は来たことなかったから行きたいって言ってくれてて、すごい前向きなんすよねって相談されて、いやもう全然ウェルカムだよって言って、それが発端だった。
だから俺自身はその谷ぐちさんとかユカリさん(リミエキのボーカル)とガチで話したことないし、軽く挨拶したりとかその程度。
今回イベントの打ち合わせとかでリモートで初めてちゃんと話ができたよ!
俺としては、なんか畏怖の念をずっと抱き続けてきた人達であり憧れのバンドなんだよね。
(※バドゥエリカとはウッチーが所属し神奈川・東京を中心に活動している大所帯ハードコアバンドの事)

45:絶対成功させたいね!

ゴヤ:ジンクスがあってさ。俺の中でウッチーさんが燃えてるライブは結構いいライブが多い!

ウッチー:燃えてるライブ(笑)。俺いつも燃えてるけどな!

1つのバンドだけど、1曲1曲、結構ガラッとキャラクターを変えたいっていうのは面白いかな

「なんか、5人で一斉に作ると散らかるんすよ」名言 by イオリ

ゴヤ:じゃあ今後の展望を1人ずつお願いします。

イオリ:とりあえず、新曲を作りたいです。
新曲を作るんすけど、僕がやりたいのは、例えばC-LINEさんと僕の2人とか、もしくは3人でとか。
もしくは僕と45さんメインとか僕とTaxi2とか僕とウッチーさんとか。
なんか、5人で一斉に作ると散らかるんすよ(笑)

全員:分かる(爆笑)

ゴヤ:展望を言えって言ったのに。誰がクレーム言えって言った!(笑)

Taix2:独立国家だから(笑)

ウッチー:俺は話の途中から言いたいことわかった(笑)

イオリ:例えば、C-LINEさんだったらがっつりブラックミュージックやるとか、45さんとだったら、もうがっつり、dubやろうか。
もうTaix2とかだったら、じゃあがっつり歌物にしようかとか言って・・・。
ウッチーさんとはその話しようとして、ちょっと有耶無耶になったんで、今度ちゃんと話します(笑)

そういう感じで、1つのバンドだけど、1曲1曲、結構ガラッとキャラクターを変えたいっていうのは面白いかなっていうのでやりたいなって思ってます。

2024年は悔しいライブが多かったというTaix2

ゴヤ:Taix2は?

Taix2:とりあえず前回の第9地区は個人的には割と良かったんですけど、今年は結構悔しいライブが多かったんで・・・
あれですね、ABD以外でちゃんとこう、かませるような力をつけていきたいです
(どんどん小声になる)

ゴヤ:どんどん自信がなくなってきたね(笑)絶対大丈夫だよ!かませるよ!

夢は大きくフジロックって前にみんなと話したんですけど。

大きなフェスにも出てみたいというC-LINE

ゴヤ:C-LINEは?

C-LINE:僕はですね、初歩的なとこで言うと、まず耳で音程がすぐわかるような音階力って言うんですかね?あれを鍛えたいですね、セッションするときとかも大変なんですよ(笑)
あと沖縄では唯一無二な存在になりたいですし、大きいフェスにも出てみたいし。 
夢は大きくフジロックって前にみんなと話したんですけど。

Taix2:そう、ウッチーさんが活動できる間には。

ゴヤ:あ、それ1番の目標だね(笑)

Taix2:『虐げられた民』の今後の展望ってそれじゃないかな

ウッチー:俺が立って歩けるうちにな(笑)その頃にはギターとかは弾けなくてもいいと思うけど(笑)

Taix2:ウッチーさんが立って歩けるうちに、フジロックに出るっていう。

45:ギターの先が短いっていうのが『虐げられた民』の唯一の弱点だから。

全員:爆笑

Taix2:あと1つ弱点があったじゃん。メンバーにメンヘラが多い(笑)

全員:爆笑

とりあえずは自分たちの国みたいな、この界隈で助けあえるようなコミュニティーとか、そういう『国』を作っていきたいなっていうのが、最近思ってる展望って感じですかね。

界隈で助けあえるようなコミュニティーをつくっていきたいと語るベース・45

ゴヤ:はい、45の今後の展望

45:普通に個人的に真面目な感じで言うと、音楽はなんか別にうまくなりたいとか、別になくてもノリでしかなんないから・・・
とりあえず『虐げられた民』に限らず、なんかライブのMCとかでも最近言うようにしてるんすけど。
毎月金とか困ったりして、その給料もらった日から次の給料もらうまでの、なんか消耗戦みたいな感じを毎月過ごしてんのってクソだなって思ってて。

だから、やっぱ家族とか養うために給与所得以外でも、なんか困った時に周り助けられるパワーとか欲しいなって感じなんで・・・
だから、『虐げられた民』でライブやったら、とりあえず客めちゃくちゃ来てくれてとか、CD出したらみんな聴いてくれてとかっていう感じにしていきたいのと、あとは、この日本の状況の変え方とか、『変わるのか?』とかもよくわかんないんで、とりあえずは自分たちの国みたいな、この界隈で助けあえるようなコミュニティーとか、そういう『国』を作っていきたいなっていうのが、最近の思ってる展望って感じですかね。
真面目なこと言うと、その為にできることをやっていきます。

Sonic Youthみたいに自分たちでなんでもできるバンド。

音楽でも音楽以外でも金が稼げて経済的な部分をクリアできるコミュニティを作っていきたいと語るギター・ウッチー

ゴヤ:お、親分。行きますか。ウッチーの親分。

ウッチー:そうね、立って歩けるうちにデカいステージで、このバンドでやってみたいなって思う。

45:おお~!具体的には?!

ウッチー:フジロックで!あ!でもそんなの書きたくないな(笑)
ライブツアーに行きたい。

ゴヤ:ツアーですか!?

ウッチー:色々さ、日本国内でも行った事ない場所とか。
そのツアーに行きたいっていうのも、今45が言ってた話とも繋がってて、経済的な問題をクリアしなきゃいけないじゃん?
だから俺は1番ずっと心の中で思ってるのは、Sonic Youthみたいに自分たちでなんでもできるバンド。
音楽で飯も食えてちゃんと生計が立てられて、音楽以外の部分でも自分たちで金が稼げてってていう。

誰かに使われるんじゃなくて、そういうコミュニティをバンド周辺でも組み立てていきたいし・・・真面目なことを言うとそういうことだよ。じゃないとツアーなんか成り立たないわけだから。
だから、そこをまずクリアしないとって思ってる。
別の国に行って演奏してみたいとも思うし、それを全部自力でやりたい。

Taix2:前提として売れるための曲を作るんじゃなくて作った曲で売れたいです。
身内にその売れたラッパーとかなんか見てきて、すごい苦しそうだなって思うことがあるので・・・
なんか売れるための曲作り講座とかとかきくけど、そういうことじゃない。

ゴヤ:自分たちが信じてる曲でいけたら1番いいよね。俺もめっちゃ思うわ。
海外とかで『虐げられた民』を見たら日本語知らないやつとかでも、もっと言えばロックとか知らない原住民でもかっこいい~って言うよ!

Taix2:なんかブラジルの人とかに評判いいらしいです(笑) 
友達のトラックメーカーと俺とヨーゴさんの曲がブラジルのクラブとかでめっちゃかかってるらしいですよ。
地球の裏側のブラジルで跳ねてたらしい(笑)

45:まずはブラジル狙おう。

ブラジルで跳ねているとかいないとか?!なシイタミの皆さんと、世界のGOYAさん

ゴヤ:ありがとうございました。最後に言い残したことないですか?

ウッチー:こんな機会でもないと、メンバー全員でこうやって話すこともまず無いよな?

ゴヤ:普段はどういう話をしてるんですか?

ウッチー:もう時間がね、あんまり余裕がないね。みんなね。うん。

Taix2:あんま時間も余裕ないし、あったとしても5人で一斉にこう囲んで話すってあんまないから・・・

ウッチー:しかもバンドのことについて話してるじゃん? 普段はバカ話ばっかだから、なかなか無い。

ゴヤ:なんか『虐げられた民』の謎がある程度解けました。

45:名探偵ゴヤ!

ウッチー:はい、じゃあ、普段は俺が締めくくりを書いてるんだけど、今回はゴヤさんの締めくくりもお願いします!俺が締めくるわけにいかないからね。

ゴヤ:本当にこれからも日常の歪みを作り上げてください。
ウッチーさん、長生きしてください!
ありがとうございました。

Taix2:膝が震えないうちに。

全員:ありがとうございました!!!

2024/6/4 虐げられた民インタビューby 世界のGOYA @ABD RECORD’S

PHOTO byいっちょむ
・Instagram
https://www.instagram.com/icm_icm_/

ワンチャイコネクション・公式サイト
https://kainan-citypunk.amebaownd.com/

虐げられた民・公式サイト
https://shiitami.abd-records.com/

虐げられた民の作品がサブスクで聴けるようになりました!
https://big-up.style/artists/197732

Column

コラム『地獄車・下JOの、ボツになった歌詞をここで供養 〜かーんぽ!の巻・その2〜』

コラム:下條
バンド地獄車ボーカル
D.Y.N.(Dead Yakisoba Noodles)ボーカル
獄楽浄土ボーカル

かーんぽ!の巻・その2

「コ」がだめなら「ポ」はどうか?

1993年頃のかんぽ生命のCM『●ーんぽ!』

つまり
●ンコ→●ンポに訂正して歌う
我ながらナイスアイデアかと思いきや
これもメンバーはNG

ならば仕方ない
「チン」がダメなら「マン」ならどうか?

歌詞も政治と同じ
対案を出せです

否定されたら
出します対案

チンからマン!

つまり
「チン●」→「マン●」

でもこれもメンバーはダメ

では
「コ」がダメなら「ピー」はどうか?
つまり
「●ンコ」から「マンピー」へ

それサザンのパクリだろ!パクリダメ!とまたメンバーから一喝

編集者コメント:子供心に、いいのか?コレ?って思いましたよね。

違うわ!
ファンク・ザ・ピーナッツのパクリじゃ!
と負けず嫌いな私

編集者コメント:ファンク・ザ・ピーナッツ=ファンピー??

反論するも
とにかくダメの一言

お前言いたいことは
男性器なの?
女性器なの?

どっち?
何を訴えたいの?
しかもパクリだし。

それFUN・Pだろ!とメンバーからツッコミ。
そしてまたも論破される始末。

このチン●がダメだ、マン●がダメって、大の大人4人が真面目に夜な夜なスタジオで言い合うこのシュールさ・・・
思い出すのは、東郷健の裁判で似たようなやり取りがあったような・・・
いやこれは言論の自由の問題である!
言論弾圧許すまじ!
と俺も段々とエキサイトしてきた。

*東郷健とは?
日本雑民党党首であり『伝説のオカマ』でもある詳しくはググれ!

編集者コメント:東郷健・雑民党の政見放送。巷を騒がせる2024年都知事選挙の一部の輩とは比べ物にならないダイナミズム!

東郷健(あ、東郷健は政治家ね)のみならず、アーティストの表現の自由が問題になることは多々ある。
例えば・・・

日本では、
美輪明宏のヨイトマケの唄。
頭脳警察の銃を取れ!
THE TIMERSの土木作業員のブルース。
つぼイノリオの金太の大冒険。

海外では、
Sex PistolsN.W.A.ラムシュタイン
ビートルズ2 LIVE CREWフランク・ザッパなど枚挙に遑がない!

編集者コメント:美輪明宏のヨイトマケの唄・・・若い人にも是非聴いてもらいたい魂の歌唱!

権力者が表現者たちを弾圧するなら分かるが、表現者が表現者を叩くとは何事か!

弱い者が夕暮れ・さらに弱い者を叩くのか!
と私、ガラにもなく大激怒したわけであります。

ちなみに、この当時の地獄車のメンバーは今と違います。

当時は、
ボーカル下條で今と変わらず。
ドラムはリョウジン。
現ベースのリョウジンは当時ドラムでした。

ギター・あっちゃん。
下條の高校の後輩で宜野湾の人。
後輩なのに1番俺にキツかった。
アメリカ留学を機にバンド脱退。

太郎・関西人。
ラモーンズと釣り好き。
ライブTはいつもラモーンズだった。
就職のためバンド脱退。

言論の自由とか
言論弾圧とかじゃない!

俺たちが言いたいのは!
その問題ではなく
何故反対なのか?
それは、、、(来月号に続く)

C-mojo(X 個人アカウント)
https://x.com/CruzShimojo

D.Y.N.(Dead Yakisoba Noodles) 公式X
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獄楽浄土 公式X
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地獄車 -鉄拳制裁

Column

コラム『Hoseya Barrazaのwoho woho dream diary Vol.8〜WOHOってなに?〜』

コラム:Hoseya Barraza
那覇市久米のThe Hologram Cityオーナーにして、THCBOYSボーカル、WOHO代表といくつもの顔を持つ魔窟の民。
心のアイドルはチェッカーズ!サードアイを持つ。

例年より早く終わった!?
ほんとかよ!って思うくらいの長ーい長ーい梅雨がようやく終わりいよいよ夏が来ますね^ ^めっちゃめっちゃに楽しみなんですけどー^ ^^ ^あがるーーー♪

ホログラムシティー代表ホセヤ・バラーザです、おはこんばんちは♪

おっはこんばんちは〜♪

さぁ、今月7月はアニバーサリー!!!しつこくも、2ヶ月に渡って我がホログラムシティの10周年に絡めた話題を書かせて頂きましてありがとうございます!

7月のホログラムイベントカレンダー!

自分発信のパーティーの中心にはいつも『WOHO』って単語がいつも付いて回ってるんですが、『WOHO』ってなんぞや?と思う方も多いと思うので、今日はその辺のことや、今回パーティーに呼んでるアーティストやDJの皆さんとの馴れ初めみたいなことを書いていこうかな姫初め。

いつぞやのWOHO

私のDJ元年は2001年、それ以前から音楽活動やりたくても、やりかたがわからなく弾かれまくってた人生だったのが、急展開!とうとう音楽家の友達ができて、その人の手引きでHOUSE MUSICを SPINする様に成りました(←かっこつけ〜)

そのタイミングで人間関係や遊びに行くスポット等、自分を取り巻く環境が劇的に変わってきました。
当時と言えば、全国的にインディーロックが盛んで、沖縄では空前のカフェブームだし、週末にクラブに行けばパンパンで、牧志界隈で散歩してる人は皆な一眼レフのフィルムカメラを首からぶら下げて歩いてましたね。

要するにめっちゃ文化の花が開ききっている状態でした。

自分も自分の音楽が始まったことをきっかけにアーティストの仲間入りをした気持ちになり、なにか新しいこと、人がまだ致してないことをやりたくて、頭をフル回転させながら悪だくみを模索していました。
そして、ちょうどその頃VJ OKさんとの運命的な出会いを経てアイディアが固まり、フィールドワークの活動内容から作品を表す創作集団
『WOHO』を誕生させたのです。

VJ OK(image photo)

WOHOの最初の形はなんとピクニックサークル!

DJ、バーテン、クラバーにキャバ嬢等、真夜中に行動している輩を集めて、海や山、または御嶽等、沖縄の深い自然や聖地と呼ばれるフィールドの中に身を置き、日頃溜まったストレスやそれ以上に悪いものを浄化させて貰い、そこで感じたことや目にしたことなどを元にレポートを纏めたり、時には降りてきたインスピレーションを元に短編小説等を書いて、フリーペーパーとして編集して、那覇に散らばるかっこいいカフェに置いてもらうという、今考えると全然意味わかんないことをやってました。
でもなんかめっちゃ盛り上がってて、楽しいんです。
さらに月1で打ち合わせを兼ねた定例会という名の集まりを牧志パラダイス通り『BAR VOICE』で開いてました。けっきょく場所柄や集まってる連中が連中なので、普通にDJイベント化していましたね笑
その活動がドンドン加速化していって、気づけば当時の沖縄のストリートカルチャーを取り上げた雑誌『hands』のコラム連載に成ったり、FM NAHAで10年以上ラジオ番組を放送したりと妙な繋がりを見せるのです。ちなみにその時つけた番組の名前が『The Hologram City』なんですね。

フリーペーパー『WOHO』

さらに裏WOHOという特別企画を設けて、みんなで廃墟に忍び込んだりして楽しかった〜笑 その時の同志が7月の10thイベントでバキバキのテクノパーティー『HARD EDGE』を開催してくれる『DJ.TOMOHIRO』素晴らしく信用のおけるDJです!超クールな夜を演出してくれると思うので、是非皆様お楽しみに♪

超クールでハイパーな夜を!!!

そんなこんなで文化の花咲く沖縄県那覇市で楽しくフリーペーパー作りしながら、パーティーイベントもガシガシしてた2000年初頭、メインフィールドは『BAR VOICE』そして、伝説のクラブ『火の玉ホール』
とくに火の玉では僕が思うに沖縄県No.1 HOUSE DJ『Cherry』さん主催のイベント、『Soul Talkin』でホットスタッフとして働かせて頂いたことが最高の経験になってます。
国内外のマッチョなDJともお仕事させてもらったし、音楽を本当に深く深く体験することができて、今の自分の基礎を作る機会になったと言っても絶対に過言ではない。そんな自分を育ててくれたCherryさんが今月7月21日にホログラムシティでSpin してくれます♡
脇を固めるDJ陣もレジェンドクラスの面子ばかりなので超Deepな夜になること間違いないでしょう!

Cherryさんを始め、超ホットなDJ集めてパーティーしますよ♪

そんな感じで今回は、私、ホセヤが色々語る時のワード、『WOHO』『Soul Talkin』『火の玉ホール』等の紹介を少しはできたかな?
まぁ、長生きしてるほうなんで、人生色々ありますが、まだまだ皆さんとヒストリーを重ねていければ本当に幸せだと思うので、これからもよろしくお願いしまーす^ ^

さよならっきょ♪ともだちんこ

10th記念のステッカー作ったんで、みんな貰ってね〜♪

Hoseya Barrazaのミュージックバー『ホログラムシティ通称:THC』では、コラムの語り口そのものの生ホセヤさんと楽しく夜通しお話しできますよー♪
那覇にお越しの際には是非お立ち寄りください!!

The Hologram City(通称:THC)
那覇市久米2-16-48 地下1階

X(ex Twitter)
https://twitter.com/hoseyaBarraza
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