沖縄地下音楽 Vol.009
2024/5/1 発行
Interview
交換書簡インタビュー『Limited Express (has gone?) 』
2024年7月27・28日の2DAYS公演で初来沖の日本オルタナパンクシーンを最先端で牽引する『Limited Express (has gone?) 』= 通称リミエキ。
そんな彼らに、沖縄公演への想いなどを交換書簡のインタビュー形式で語っていただきました。
Q1.最新作『TELL YOUR STORY』について
ーー僕の出身が神奈川ということもあり、『ECHO』がきっかけでだいぶ前からLessThanTVの作品は聴いていたのですが、リミエキを知ったのは、江ノ島オッパーラでライブを観たのが最初だったと思います。ぶっちぎりのライブパフォーマンスとサウンドにぶち抜かれて大好きになりました!
リリース作品だとロベルト吉野くんの参加作品『Escape from the scaffold』の頃から聴いてるかなと思います。
彼の超絶タンテとのコラボは衝撃でした。
2018年9月2日に行われた『FEVER OF SHIZUOKA 2018』での、Limited Express(has gone?)×ロベルト吉野のライブ映像は僕(インタビュアー:ウッチー)の大好きな作品です!撮影は映画「MOTHER FUCKER」の大石規湖監督。
聴き始めた頃の印象では『すっごい自由なハードコアバンドだな』という感じだったのですが、そこから『perfect ME』『The Sound of Silence 』と聴いてきて、どんどん曲作りの振り幅が、YUKARIさんのボーカルを軸に広がっていってるように思います。
『TELL YOUR STORY』では、荒々しいハードコアなアプローチを随所に散りばめながらも、こうした(ハードコアやオルタナパンクシーンの)音楽を聴き慣れていない人の耳にもスッと入ってくるような印象を受けました。本作で特に意識したところなどがあれば聞かせていただけますか?
飯田 : 配信で数曲ずつ出しながらアルバムにまとめていったので、活動と地続きに作ったアルバムという感覚があります。
YUKARI : 意識していたことは特にありませんね〜。
谷ぐち : 歌を中心に考えるような曲作りにはなったよね。とは言え、歌から作ることはしないから、アレンジの段階で歌が曲の幅を広げてくれるっていうか。
もんでん : そうですね。
こまどり : 僕は『Tell Your Story』から参加したので、以前はわからないのですが、テーマとかありませんでしたっけ?
飯田 : 基本的にずっと動いているバンドなので、アルバムをコンセプチュアルにまとめるってことは過去作も含めないですね〜。
YUKARI : 歌うのはどんどん楽しくなっていってるから、もちろん最新作は今までで一番好きにやってる。だけど、私はその時やりたいことをやってるだけだからなぁ。一曲一曲への想いはあるけど、アルバムとしてと言われると、ない!
谷ぐち : まとめる段階で曲の並びやバランスは毎回考えてる。「HATER」や「I don’t TRUST」は、アルバムを大きく広げてくれた曲でしたね。でもね、次回作はリミエキとして初のコンセプチャルなアルバムになると思うので、期待していてください。
YUKARI: そう!挑戦してみてる!
Q2.『PICK A FIGHT』について
ーー非常にバラエティに富んだ今回の作品の中でも、今までにない雰囲気の曲だと思いました。
ファンクというよりはアフリカンな要素とか、パーカッションを印象的にフィーチャーしていたりして、とても楽しいです。
僕は80年代のNEW WAVE(というかNO WAVEというか?)でLizzy Mercier Desclouxが大好きなのですが、そのあたりの影響もあるのでしょうか?
谷ぐち : 知らないな。Thin Lizzyなら大好きだけど。
※Thin Lizzy知らない方のためにリンク貼っときます。(https://x.gd/xEP9v)
飯田 : LIZZY MERCIER DESCLOUXの影響、僕はめちゃくちゃうけてますが、ギターや曲調としてイメージしたのは、6曲目の「WORLD’S END」の方かもしれません。PICK A FIGHTは、当時ハウスとガレージっぽいパンクが融合してめっちゃ踊れるような現在進行形のNYのバンドをよく聴いていて、そういう曲が作りたいなと思って。
こまどり : 僕もLIZZY MERCIER DESCLOUXとか、その辺りのNYのポストパンクは好きですね。
YUKARI : まぁでもこの曲は何より、パーカッションのシマダボーイのおかげでしょうね。
飯田 : それはそう!
もんでん : この曲は録音時にドラムテックのRyoさんに参加していただいたうちの一曲で、この曲だけ違うドラムセットも使ってて…
谷ぐち : どんなドラムセットを使ったんだっけ?
もんでん : 前半と後半のファンクパートの部分なんですけど、そこだけビンテージのパールのセットを使わせてもらって、叩き方も変えて別録りして。それがかなり音的には効果があったんじゃないかなって気がします。
谷ぐち : 録音としてはかなり作り込んだ曲だったし、仕上がりもみんな満足していたので、(飯田)仁一郎がパーカッションを入れたいってなった時には、「えっ!」ってなったよね。結果的には、さすがシマダボーイ。めちゃくちゃカッコよくなった。
Q3.初沖縄公演について
ーーてっきり日本中行ってるものだと思い込んでいたので、今回、沖縄が初めてというのが実は意外でした(笑)。
これまでにどこかのイベントなどで沖縄のバンドとの共演はありますか?
また、今回の沖縄公演への想いなどを聞かせていただけますか?
飯田 : みんなの他のバンドとかで、沖縄のバンドの人と繋がったりはあるのですが、リミエキでは、不思議とあんまりないんです。
YUKARI : 北海道は、谷ぐちが出身なのもあって繋がりが多いのですが、沖縄はあんまりないよね〜。
谷ぐち : 面白いシーン、面白いバンドがたくさんいるって話はよく聞くけど、いままで縁がなくて。
飯田 : はい。なので、本当に念願の初沖縄なので、めちゃくちゃ楽しみです。
Q4.YUKARIさんのライブパフォーマンスについて
ーーいつも元気いっぱい過ぎるというか、凄まじい勢いと無尽蔵の体力を感じますが、普段からフィジカルなトレーニングを行っているのでしょうか?
趣味でボルダリングとかやってそうだなと思って。ほんと素朴な質問です。
YUKARI : めっちゃ鍛えてます、っていっても週3〜4回短い時間ですが、ジム行ってます!
とにかく今のスタイルでライブパフォーマンスをし続けたくて。死ぬまで。全身で歌い続けたい。
だから肉体改造とかそういんじゃなくて、とにかく衰えないように頑張ってます。
私、学生時代、ほんと体育の授業が嫌いで。運動なんてするもんかと思ってたんですよね。でも、ピンボーカルで歌うようになって、走ったり登ったりしてたら、水を得た魚ってまさにこのことか!と。
そしたら鍛えるのもたのしくて。日本の学校の教育ってあてにならないですよねー。もっと早く暴れるの最高って知りたかった(笑)
ボルダリングもSASUKEもやりたいもん!
Q5.LessThanTV主催イベント『METEO NIGHT 2023』について
ーーコロナ禍を経て、4年ぶりの開催となったMETEO NIGHT 2023ですが、1日に33バンド出演(!?)という驚異的なサーキットイベントでした。
インディペンデントレーベル主催のライブイベントとしては日本最大級だと思いますが、出演バンドの調整やタイムテーブル、告知プロモーションから当日の現場管理まで大変な苦労があったと思います。
どれくらい前から企画を進めていたのでしょうか?また、特に印象的なエピソードがあればお聞かせください。
谷ぐち : はい。勢い余ってTシャツをいっぱい作ったんだけど、大量に売れ残ってしまい…
飯田 : 50万円くらいの赤字も出ましたね…
YUKARI : 準備が遅かったから、そういうことになっちゃうんだよ。
谷ぐち : いやいや、去年はね、急にやるってことになったから仕方がなかったんだよ!
YUKARI : はい。でも今年はもうちゃんと動き始めてるんで、多分そういうことはないと思います。
谷ぐち : 年明けの1月くらいから準備してますからね!
Q6.沖縄の音楽ファンに向けて(by いっちょむ)
ーー私は沖縄出身沖縄在住で、学生の頃に音楽雑誌を読み漁って辿り着いたU.G MANやGOD’S GUTSなどを聴いて衝撃を受けました。
谷ぐちさんのソロプロジェクトであるFUCKERもとても好きで、FOLK SHOCK FUCKERのゴミ袋ジャケ(※FOLK SHOCK FUCKERS 3)を自室に置いていたら、遊びに来た友人が本当にゴミだと勘違いし捨てそうになったことも思い出です。
そんな私にとってはリミエキを沖縄で見られることは夢のようですが、沖縄の音楽ファンに向けて伝えたいこと、知ってほしいことなどがあればお聞かせください。
FUCKER『メテオエブリデイ』PV
谷ぐちさんのセンス・・・ここに集約されてると思う。
2DAYSでも絶対『タイミングで』ソロ=FUCKERもお願いするつもりです!
谷ぐち : とても光栄です。
伝えたいことは特になくて、知ってほしいことも特にないけど、知りたいことがたくさんあります。
沖縄のローカルシーンを体感したい。たくさんのかっこいいバンドと一緒にライブがしたい!
こまどり : 沖縄時間っていうのがやっぱあって。やっぱり始まるのが遅くて… 夜中までやっぱ演奏してるんですかね。
沖縄のなんかやっぱ、そのままの… やっぱその生活感っていうのをやっぱ味わいたいです。
もんでん : あ、なんか普通にとりあえずいいライブしたいです。
谷ぐち : ファンに向けて伝えたいことだよ?
YUKARI : いいんじゃない。いいライブしたいですってほんとに一番思うことでしょ。
飯田 : 20年以上バンドをやる中で、世界中のいろんなところ行きましたが、やっと、やっと沖縄でライブができます!!! なので沖縄でやらせてもらえるのは本当に光栄なんです。ぜひ楽しみにしていて欲しいですし、僕らもめちゃくちゃ楽しみです。
YUKARI : やっぱり、場所とか年代とか、そういうのって音楽やカルチャーには大きく関係してると思うから、とにかく触れたい。
沖縄が経てきた歴史もちゃんと自分の目で見てまわりたいし、沖縄の人たちと話したい。
そんで私たちのライブで、沖縄のシーンにあるものとはちょっと違うなみたいなものを感じてもらえたらいいな。
なんかこれが音楽だとかライブだみたいな、そういう既成概念というかリミッターみたいなのを外しに行けたら面白いなと思っています。
ーー2023年8月末に『TELL YOUR STORY』をリリースしたばかりなのに、すでに新作の構想を『コンセプチュアルなものに』という方向で挑戦し始めているという『リミエキ』のみなさん。その勢いと創造力、なによりも凄まじいバイタリティに、書簡インタビューの時点でカマされてしまいました。
5月にはいくつかの都内イベント、北海道札幌遠征も控えて大忙しの合間を縫ってインタビューに答えてくれたLimited Express (has gone?)の皆さん、ありがとうございました!
沖縄地下音楽としては、『沖縄のローカルシーンを体感したい。たくさんのかっこいいバンドと一緒にライブがしたい!』『沖縄が経てきた歴史もちゃんと自分の目で見てまわりたいし、沖縄の人たちと話したい。』と応えていただけたことが、心から嬉しかったです。
この夏のイベントを通じて、沖縄と内地のシーンとのより深く広い交流が育まれていったら最高だなって思ってます。2DAYS、バッカましちゃってください!
Limited Express (has gone?) ・沖縄2DAYS
沖縄地下音楽PRESENTS『リミエキがやってくる ヤァ!ヤァ!ヤァ!』両日とも18:00 OPEN / 入場 ¥2,000+1D(予約特典あり!)
↓ご予約は下記の予約フォーム、または出演バンドに直接おねがいします。
https://okinawa-ug.com/limited/
※予約特典は6月下旬に発表します。お楽しみにー!
2024年7月27日(土)
コザ・GIG STUDIO騒音舎『コザだのに久米騒動〜夏の乱・1st〜』出演:
Limited Express (has gone?)
ANTI USE HEADZ
AKKANBABYS
EMPATHY
HELL型
生ず
R.A.G.S
2024年7月28日(日)
那覇ABD RECORD’S & The Hologram City10周年『久米騒動〜夏の乱・2nd〜』出演:
Limited Express (has gone?)
ワンチャイコネクション
NEED LEAD USER
SOW THREAT
虐げられた民
Archer Archer最新作CD『TELL YOUR STORY』
沖縄県内では、那覇RC宇座商店、中城LEDGE、コザ騒音舎(NEO POGO TOWN)で取り扱っています!
日本のパンク・シーンを常に最先端で牽引するアンダーグラウンドレーベル=レスザンTVより、Limited Express (has gone?)が、SAXのこまどり加入後2枚目となるフル・アルバムを遂にリリース! リズムセクションが刻むアグレッシブなビートに散りばめられたギター&SAXの変幻自在なフレーズとマイク一本で縦横無尽に暴れ回るYUKARIのヴォーカルが生み出すサウンドはまさにワンアンドオンリー。80’s NO WAVEを彷彿とさせるポップな曲調から高速ハードコアになだれ込む⑧PICK A FIGHT、壮大なフェスロックを想わせる冒頭からクルクルと目まぐるしく展開を変えてゆくポップチューン⑨HATERなど、5人の個性が炸裂する楽曲を詰め込んだスーパー幕内弁当!サウンド・エンジニアにボアダムス、SiM、BABYMETAL等を手掛ける原浩一を迎えて生み出された強強サウンドをまずは①ラーメンライスから召し上がれ!
Limited Express(has gone?) 公式WEBサイト
MVやライブ映像など沢山みられますよー。
http://www.limited-ex.com/infos.htm
Live Report
ライブレポート『AKKANBABYS@Output〜April〜』
ライブレポート:うっちー
『沖縄地下音楽』編集長・久米ABD RECORD’S BAR オーナー。
神奈川県横浜市出身。
タバコはアメスピの黄箱。
2024年4月6日に那覇OUTPUTで北海道からNOT WONKの加藤修平を招いて開催された『Output 12th ANNIVERSARY & AKKANBABYS PRESENTS〜April〜』
コロナ禍において、残念ながら見送りとなってしまったNOT WONKとの共演イベントのリベンジ・イベントでもあり、AKKANBABYSの最新作『サラダボウル』のレコ発イベントでもあったこの日、トッパーを務めた彼らの熱すぎたライブを熱いまんまレポートしてみました。
1曲目からクライマックスかよ
ゴーーーンッ!
まるで硬い何かに頭をぶつけたような衝撃だった。
さらっと始まったライブのオープニング。なのに、この音の強さはなんだろう?
それは音量ではなくて、一発の音の強さだった。
2024年4月6日 那覇OUTPUTのステージにトッパーとして登場したAKKANBABYSのオープニングである。
1曲目は『いちょうの実』
まさに特大の銀杏が天井から落ちてきたみたいだった。
会場に集まったオーディエンスを真っ直ぐに・射抜くような目で見据えながら歌を投げかけてくるベースボーカルあめくの迫力に圧倒されて目が離せなかった。
『楽しくて仕方がない!』という感情が全身から伝わってくる。
ぴょんぴょんと飛び跳ねながら歌うジュン、轟音を掻きむしる譜久村、爆音の中を突き抜けるふっさんの硬いドラムサウンドに吹き付けられて体が持っていかれる。
すでに1曲目からクライマックスかよ。
AKKANBABYSとの出会い
彼らと初めて出会ったのはコロナ禍突入の寸前くらいだっただろうか?
一緒に『虐げられた民』というバンドをやっているTaix2が大好きだということで興味をもち、安里ファンファーレに観に行ったのが最初だったような・・・いや、定かではないんだけど。
その夜は、元メンバーのベーシストみきおが脱退して、元ドラマーのあめくがベースボーカル(時々ドラム)に、新ドラマーのふっさんが数曲ドラムを叩いてというような変則的なポジションがえをしながら、とても良いライブを聴かせてくれた。
ギターボーカル・ジュンの重力を感じさせない飄々とした佇まい、ギター譜久村の圧倒的な存在感と攻撃的なギタースタイル、二人の狂人(失礼!)の後ろでドラムを叩いたり、まだ慣れてない感じのベースを一生懸命弾いたり歌ったりのあめく。
多分バンドに参加して初めてのライブだった(と思うが定かではない)ふっさん。という新しい編成での門出に立ち会えたことを今でも嬉しく思っている。
・・・AKKANBABYSをまだ聴いたことのない人に誤解のないように注釈しておくと、彼らの楽曲群は、このような描写で描き散らかした文章とは全く相容れないくらいにポップで愛らしい楽曲のオンパレードである。
日常のなんでもないようなこととか、ふとした瞬間を切り取っては切々と語りかけてくるような詩の世界は、あまりにも忙しく殺伐として絶望に満ちた街々を休み休み生きてゆく人々の暮らしを織り込んだタペストリーのようで、優しくて柔らかく、楽しい。
俺が大好きな彼らの楽曲に『駆ける』という曲があって、歌詞の世界観、楽曲の雰囲気ともにガッツリ胸を突かれた。
よく遊んだゲーセンがいつの間にか無くなったりとかして、どうしたって過ぎて行ってしまう時間と、どんどん変わっていく街と人。
『街も歳をとるんだ』とはよく言ったもので、時間の中でモタモタ生きている焦燥感が苦しくなるくらいに伝わってきちゃってたまらなかった。
そのように景色と言葉を切り取ってスクラップしていったような歌がとても耳に心地よい音楽である。
MV『駆ける』は慣れ親しんだ街並みと仲間達を切り取ったコラージュ作品に
狂気と正気の狭間を切り取って投げつけてくるような人たち
しかしライブは・・・。
彼らのライブを観るにつけ、どこか狂気を孕んでいて、さりげない日常を大切に切り取って歌いながらも、それを猛烈なスイングで投げつけてくる猿どもと対峙しているかのような凄まじさを感じた。
狂気と正気の狭間にある日常を切り取って書き綴られた彼らの楽曲とを引き裂くような荒々しいライブパフォーマンスに魅了された。
そんなことを思い出しながら、見上げたステージに立つ彼らは、4年の時を経て今やまさに4匹の狂った猿(失礼!・もちろんよい意味で!)であった。文章でこれが伝わるんだか伝わらないんだかわからないけれど。
『いちょうの実』に続いて演奏される『ハッピーエンド』
軽快なビートにのせて紡がれていく物語をメンバー全員で歌う。そして会場全体が壮大なノイズに包まれる壮大かつドラマティックなエンディングに会場の熱気も最高潮に達している。
・・・またクライマックスかよ。
次に演奏された『合流』という曲は、覚えてなかったんで初めて聴いた曲かもだけど彼らの曲の中では異色な雰囲気だなと思った。
なんというか突き抜けたような、行きつ戻りつしながらウロウロしていた人がまっすぐ歩いてみたかのような。そんなふうに聴こえた爽快な曲だった。
そこからの『ニュータウン』で俺の涙腺がついに崩壊。
時に会場を狂気の笑顔で見渡しながら、時にお互いを確かめ合いながら、彼らがあまりにも楽しそうにライブステージを踏みしめるものだから、こちらも涙腺なんて気にしていられない。
数年前、コロナ禍真っ只中、AKKANBABYSと虐げられた民でツーマンイベントをやった思い出がある。
その時にリスペクトを込めてコピー演奏した曲がこの『ニュータウン』だったんだけど、個人的に神奈川横浜の出身ということもあり、この楽曲の中で歌われる『京急線』に揺られながら青春時代を過ごした僕にとっては郷愁を誘うところもあるかもしれない。
それが2割+どうしても去来するのは、あのコロナ禍で味わった、なんとも言えない悔しさと、飲み込んでしまって誰にも言えず風化した言葉などが8割か。
かくして、ラストの『美しいな』までを駆け抜けて彼らのライブが終わり、俺は誰にも顔を見られたくなくてトイレに駆け込んだ。
僕ら間違い抜こうぜ
天井から落とされた特大の『いちょうの実』の爆撃は『ねえ僕ら・ふたりで街へ行こう・ふたりで間違い抜こう』と締め括られる。
彼らのライブを思い返しながら、新譜『サラダボウル』を聴きつつこのレポートを書いた。
もちろんそんなメッセージではないんだろうってわかっているけれど、頭の中にある言葉を書き記しておきたい。
率直に言って、みんな間違い抜いているのだろうなと思う。いろんな意味において誰もが間違い続けていて良いし。
それが誰かを傷つけてしまうようなことだったり、命が奪われてしまうような事態に繋がったりってあると思うけど、間違いを犯さないように薄氷を踏むように生きていたところで、気づかずにアリを踏み殺している自分がホントのところなんで。
おしまい
最新MV『ニュータウン』は『楽しい!』が全開で伝わってくるようなロードムービーに
2024/4/6 AKKANBABYS@Output 12th ANNIVERSARY & AKKANBABYS PRESENTS〜April〜
写真 by DAITAKU
https://www.instagram.com/daitaku69AKKANBABYS
・X(Twitter)
https://twitter.com/kkanbabys
https://www.instagram.com/akkanbabys/2024.04.06 Release『サラダボウル』
2,000円(税込)
※当面はライブ会場での販売とメンバーの手売りのみ【収録曲】
- ラブユーアンディー
- いちょうの実
- ニュータウン
- 合流
- 素足
- きみは光だよ
- ユヴェントス
- ベートーベン
Production Report
現場レポート『ケンゴリアンズ・Recording@ABD』
現場レポート:いっちょむ
絵や文を書いて生きてるひと。
沖縄県出身。
好きなものはライブとひじきの煮物。
最近、特に完成度の高いライブパフォーマンスが際立っている沖縄のギターロックバンド『ケンゴリアンズ』
真っ直ぐに曲と向き合う真摯な姿勢に定評の高い彼らの新曲レコーディングに密着レポートしました!
いざ、ケンゴリアンズのレコーディング現場へ!
去った3月17日。
時計の針が真昼を指していたが、曇り空の那覇市久米の日差しはやや鈍くて薄暗い。
しかし、そんな天候の下で彼らが、ケンゴリアンズの4人が潜った扉の向こうは洞窟のように暗かった。
日曜の真昼に、このABD RECORD’S BARにケンゴリアンズの4人が集まったのには理由がある。
新曲2曲のレコーディングである。
ポップで明るい印象の「新曲A ※最近ライブでやるようになった明るくてポップなあの曲」もエモ色強めでヘビィな音色と熱唱が魅力の「新曲B ※最近ライブでやるようになったヘヴィでエモなあの曲」も今までのケンゴリアンズのイメージを一新する曲たちである。
この2曲のレコーディングにかける意気込みも相当なもので、ギター担当のアオイはその日、替えのギターの弦を4セットも持ってきていた。
ギターの弦を切るほどの演奏になるのか!?と、今回初めてレコーディングの密着取材を許された私もやや緊張するが、レコーディングというものはけしてそんな派手ではなく、もっと繊細でデリケート且つ、石垣をひとつずつ積むような作業であることを思い知らされるのであった。
レコーディングにノイズは禁物DEATH
集まったケンゴリアンズの面々は各自楽器のサウンドチェックを終えると、ギターボーカルのケンゴ、ベースのビック、ドラムのイオリの3人で仮録りを行うのだが、ここで早速トラブルが起こる。
ベースの音に、どうしてもノイズが入ってしまうのだ。
どうやらベースが上手く放電できていないとのこと。
話し合いの結果、ビックの足にギターの弦を巻き、床に流すことで放電することとした。
まさかの場面でアオイの替えの弦が役立ったのだった。
トラブルはあったものの、どうにか仮録りを終えたところで本録に入る。
一般的にレコーディングの場合、ドラムから録音されるとのことだが、彼らのレコーディングも例に漏れず、イオリのドラムから録ることに。
イオリは「新曲A」をなんと2テイクで録り終え、「新曲B」に関してもいくつかの箇所を数テイクの録り直して録音を終える。
「ドラムは最初だから時間をかけられない」と語るイオリだったが、見事なドラム捌きであったと思う。そしてメンバーに次を託す。
次いでビックのベース録りが始まったが、「新曲B」のとあるフレーズがどうしても納得がいくものにならず悪戦苦闘。
パンチインで録り直すのだが、十数テイクの録り直しを重ねて、だんだんビック本人にも焦りと疲れの色が浮かんでくる。
しかし諦めることなく真剣に音に向き合う彼の姿勢にベースも答えたかのように、最後は自身が納得のテイクを発揮して録音を終える。
結果、この熱量を表すかのようなうねりがあるサウンドとなった。
そしてギター、ボーカルのオーバーダブに
この時点で16時前に差し掛かっている中、続いてギターボーカルのケンゴに順番が回ってくる。
椅子に座ったり、立って弾いたりと動きを変えながらギターを弾くケンゴと、そんな彼の音に耳を澄まして音色を確認し合うアオイも参加しながら、作りたい音を確認していく。
ケンゴも数テイクの録り直しをしたが比較的にスムーズに録音を進めていく。
特に「新曲A」でギターを重ねるところがあるのだが、フェードインして入るフレーズが曲をポップに保ちながらも、耳にしっかり残響音を残すような深みを生み出していた。
これぞギターロック!なフレーズの玉手箱=アオイのオーバーダブへ
その後、ケンゴが「新曲B」で録音を終えたため、最後の演奏パートをアオイが「新曲B」「新曲A」の順で録音をすることに。
アオイは、彼の奏でる音色を知っている者たちが耳にすれば直ぐに彼の音だと分かる個性と、それを表現できる腕があるギタリストであるが、そんな彼でもレコーディングは容易いモノではない。
「新曲B」も数テイクの録り直しを重ねたが、「新曲A」のアウトロのフレーズがどうしても納得がいく形にならず、なんと20テイク録り直した。
しかし、そのこだわりは原石である曲を磨き上げるために必要で、最後に彼が渾身のフレーズを奏でたときはメンバーも湧き上がった。
演奏パートの収録を終え、今度はボーカルの録音に続くのだが、この時点で時計は22時を指した。
そしてレコーディングは佳境を迎えボーカル録音に突入!
ついついメインボーカルの録音も長引くかと予想したが、それはケンゴの歌声に一蹴される。
ケンゴの歌は正確なリズムを刻みながら、人の胸を打つような豊かさと深みがある。
ライブでも感じていたが、レコーディングでもそれは遺憾なく発揮され、その歌の上手さに感動している間にあっという間に録音は終了。
大袈裟だが、彼の喉は歌うためにあるのかと思ってしまった。
次いでは「新曲A」のコーラスとハンドクラップの録音に入る。
ケンゴリアンズの曲では、コーラスもハンドクラップのどちらも初めての試みとのことで、メンバー全員の個性あるコーラス、そして賑やかなバンドクラップがポップな曲にさらに花を添えたところで、レコーディングが終わりを迎えたところで、メンバー全員に顔に安堵が点った。
時計はとうとう0時を示している。
12時間を超える長丁場、おつかれさまでした!
その12時間かけたレコーディングの成果を、簡単なミキシングの後に皆で聴き返す時間がやってきた。
全員が神経を集中させてそれを耳にして、曲が終わった瞬間に全員から歓声が上がる。
それは名曲がこの世に産み落とされた瞬間に立ち会ったといっても過言ではないことを意味する。
私は改めて、この現場に同席できたことに感謝し、ケンゴリアンズのバンドとしての底力に圧倒された1日であった。
さて、その2曲がどんな出来栄えなのか、気になった方も多いことだろう。
それは後日ケンゴからの寄せられたコメントから推察してほしい。
【ケンゴからのコメント】
『“正しい声を繋ぎ、また今日を誘う(いざなう)”というアルバムを去年リリースしました。
この時期の全8曲の制作期間はとにかく苦しかった。今思うとケンゴリアンズの音楽の「実体」をまだ僕自身が掴めなかったが故に苦しかったのだと思います。
アルバムを意識し曲を作り「2020」という曲が最後に仕上がった時、ついにパズルが完成した喜びと同時に「さてこれからどうしよう」という虚無もありました。
結果そんな心配は無用でした。
理由は何個かあります。
最近はメンバーと音楽性について話す事も増えた事、僕自身が「俳句の会」というバンドを始めケンゴリアンズの音楽を客観視しやすくなった事とか色々
とにかく今僕は凄くワクワクしている。
今が一番ケンゴリアンズというバンドの音楽の可能性を感じております。先陣を切って発表できるのが今回の2曲(リリースタイミングは追って報告します)
10数年やって、やっとこのバンドの「実体」を掴めました。そしてまだ掴めてない可能性も感じました。
そこに僕はワクワクし「幸せ」なんだと思えるのです。そんな2曲です。
これからまだ沢山新曲作ります。
今これだけが「幸せ」だから。』
ーーその幸せな音楽はきっと、いや、必ず聴いた者たちの幸福も呼ぶのだ。
ケンゴリアンズ
ライブ情報や、今回の新作リリース発表などはSNSをフォローしてください!・X(Twitter)
https://twitter.com/kengolianz1234
https://www.instagram.com/kengorians/ABD RECORD’S BAR
〒900-0033 那覇市久米2-6-7 プラザエポックビル205
通常のバー営業のほか、ライブイベントやレコーディングなども沢山やってます。
公式サイト、SNSなどチェックしてみてください!
・公式サイト
https://abd-records.com/
・X(Twitter)
https://twitter.com/RecordsAbd
Interview
インタビュー『音語(ウトゥグチ)』後編
インタビュアー:うっちー
『沖縄地下音楽』編集長・久米ABD RECORD’S BAR オーナー。
神奈川県横浜市出身。
タバコはアメスピの黄箱。
コロナ禍を契機に日本中で盛り上がりをみせる『HUMAN BEAT BOX(ヒューマンビートボックス)』シーン。
各々がスキルを磨き、時には遊びながら、時には激しいバトルを繰り広げながらマイク一本で勝負するビートボックスの波は、沖縄にも渦巻いている!
沖縄のビートボックスクルー『音語(ウトゥグチ)』もそんなビートボクサーたちの集合体だ。
後半では、現在7名からなる『音語』というクルーについてより深く、主催イベントやワークショップ、そして今後の目標などについても語っていただきました!
HUMAN BEAT BOXの世界へようこそ!
ヒューマンビートボックスの発祥はラッパーが担いでいたラジカセ?!
よこまろ:ヒューマンビートボックスの発祥、これちょっと軽くいってみましょうか。
MASSHI:軽く?軽くでいいか。
えっと・・・1970年代、アメリカでヒップホップっていうカルチャーが生まれまして、で、その中でサイファーっていう文化がありまして、みんなで円囲んでラップして、順番にやるっていうのがあったんですけど、やっぱラップするにはビートが必要じゃないですか。で、その時に、昔のヒップホップ聞いたりする人とか知ってるかもしれないけど、路上ででかいラジカセ担いでやってるっていうのがあったんですけど、それ(ラジカセ)が当時めちゃめちゃ高くて、もう数十万円とか。あの時ってレコードが主流なんで、カセットテープっての革命的だったんですよ。なんで、めっちゃ超高性能な機械だったんで。
で、それが高くて買えない貧困層の人たちが、じゃ、そのラジカセ真似して始めようつったのがビートボックス。
ウッチー:マイクがあればできるから?
MASSHI:マイクもなしに、もう、見様見真似っていうか耳感で、人間が出せる音で近づけたっていうか、真似し始めたっていうのがビートボックスの始まりです。
で、その当時、その担いでるラジカセの名前が『ビートボックス』だったんです!
それを人間がやるから、ヒューマンビートボックスっていう名前があって、で、それが今にいたります。
ウッチー:あ、そうそう、その話はね、書きたかった。
MASSHI:あはは(笑)
よこまろ:今はもう、ビートボックスっつったら、もう、ヒューマンビートボックス。
MASSHI:ヒューマンビートボックスも略称でビートボックスって言われることが多いんですけど、やっぱ当時はビートボックスってものがあったんで、音が鳴る箱はビートボックスだった。
ウッチー:じゃあ、ストリートで、この今車座になってるような状態で、ビートボックス係の人が?
MASSHI:そうなんです。
ウッチー:で、横でラップしてたりとか。
MASSHI:そうです。で、そういう人達もラッパーだったりするんですよ。でもラップもできるし、ビートボックスも。みたいな。
ウッチー:他の人がラップやってる時は誰かがビートを?
MASSHI:そうですそうです。
DUB-OX:それこそ、Taix2(沖縄のラッパー)さんが所属してた604(沖縄のRAPクルー)にビートボックス担当で行って、ヒューマンビートボックスしてサイファーとかしとったっすもん。ね?
Taix2(たまたまABDに遊びに来ていた):あはは、Setting(当時Taix2がオーガナイズしていたイベント)とかね・・・
DUB-OX:『(DJの)音鳴らねぇ・・・』とか言ったら俺すぐマイク持ってきて(笑)。
Taix2:あの頃のDUB-OXの『音楽させろ!』感凄かったよね(笑)。
一同:爆笑
最近の日本のヒューマンビートボックスシーンについて
よこまろ:じゃあ、最近の日本のヒューマンビートボックスシーンについて、『今』どんな感じか?ってのを。
DUB-OX:凄い盛り上がってんじゃないですか?
よこまろ:うん、盛り上がってるね。大会も増えて。ビートボックスのYouTuberってのも以前はいなかったけど、どんどん増えて、今はRofuとかね。
DUB-OX:ビートボックス自体が盛り上がってきたのってコロナ期間中なんですよ。
ウッチー:あ、割と最近なんだ?
MASSHI:割と最近なんです。
DUB-OX:家にいる人が増えた。SNSを見る人が増えた!
ウッチー:あぁ、そうだね。
DUB-OX:そう。で、SNSで、そのタイミングでバチン当てたのが、このRofu(2018年 Asia Beatbox Championship チャンピオン)。
DUB-OX:彼らみたいなYouTuberが出てきて・・・YouTuberっていうか、彼らも昔からやってるプレイヤーなんですけどね。彼らのような人たちがYouTubeで配信することで、家にいる人たちがビートボックスを知るきっかけになって。
そこで、バーって広がって、コロナ明けから色んな現場に人が集まるようになって。
ウッチー:DUB-OXとかが出てた全国的な大会とかっていうのは、コロナ前からあったんでしょ?
MASSHI:コロナ前からありました。
ウッチー:あったんだけど・・・
DUB-OX:このコロナ期間中に、今まで出てた、日本大会っていうのはなくなっちゃったんです。
ウッチー:あぁ、そうなの?
DUB-OX:うん、コロナ期間でなくなっちゃった。
ウッチー:あったけれども、それが、このコロナ禍を経たことによって、さらに加速して盛り上がったと?
よこまろ:そうですね。人口が増えましたよ。プレイヤーもオーディエンスも。今までもプレイヤーが観に来るし、プレイヤーがお客さん連れてきていたけど。
ウッチー:それが、そのSNSとかYouTubeとかで、お家にいながら、『こんなお前、口だけでよっ!!!』ていうのをこう、目の当たりにして、面白いと思った人がお客さんとしても集まるようになってきたっていう・・・今の状況で言うと。そういう感じっていうことだ?
MASSHI:そうですね。
ウッチー:面白いねぇ。
え!?お客さんが行くの?
よこまろ:もうバトルの数もどんどん増えてって、月に二、三回は絶対にある。
MASSHI:ほぼ毎週あるっていっても過言ではないぐらい。
ウッチー:全国で言ったらってこと?
MASSHI:はい、全国で。地方とか東京とか、ああいうのも全部含めたら、もうほぼ毎週のように、何かしらビートボックス関連のイベントは絶対ありますね。
DUB-OX:で、ここが他のカルチャーとヒューマンビートボックスのカルチャーの違う部分なんですけど、みんなね、よくも悪くもフッカルなんです。
ウッチー:んんと??フットワーク??
DUB-OX:そう、フットワーク!とても軽くて。例えば、えーと・・・
第1週・大阪、第2週・東京、第3週・名古屋。これを福島県の人が行ってたりする。
一同:うんうん。
ウッチー:ま、やっぱり機材いらない。マイク1本、トラックすらいらない。自分の技術だけでいけるしってことかな?
DUB-OX:いやこれ、お客さんすね。
ウッチー:え!?お客さんが行くの?
よこまろ:お客さん。すごい人もいる。1日でハシゴする人もいる。みんな追っかけ気質っていうか。
DUB-OX:それが・・・なんかその県でどうなってるとかじゃなくて、日本で。『ニッポン』っていうくくりなんすよね。
よこまろ:うん。イベントもそうなんですよ。いろんな都市でぽんぽんぽんぽんみたいな。来週は東京、来週は高知県、来週は大阪・・・これを全部回ってる感じ。
DUB-OX:イベントやって、次の日そのまんま朝まで飲んで、そのまま北海道行ったりとか。頭おかしいお客さんばっかっす。もういい意味ですごいイカれとるっす!
MASSHI:ホントに行動力の塊というか、『すごいなっ!』ていう人いっぱいで。
ウッチー:『お客さんが』っていうのはすごいね。
DUB-OX:そう、それに助けられてる部分もあります。だからこそ、セカンドランゲージ(DUB-OX主催のバトルイベント)は半々。もう沖縄半分・県外半分です。
ウッチー:僕も観に行ったけど、サイバーボックス(那覇のライブハウス)、メインフロア150ぐらいかな?キチキチだったじゃん?あれはだから、沖縄県在住の人が半分、あとは県外?
MASSHI:県外から半分見に来てる。
ウッチー:へぇ、それはすごいね。
PON:プレイヤーに関しては、多分県外からの方が多い。
沖縄のビートボックスシーンについて
よこまろ:昔までは沖縄のシーンってプレイヤーが多くて、お客さん少なかった。
今では、お客さんも増えてきたし、セカラン(セカンドランゲージ)とか、プッシュアップ(よこまろがABDで主催している県内バトルイベント)とかでも、沖縄のプレイヤーを育てられてるようになってるので、沖縄のシーンについても話したくて。
沖縄のシーン、昔と比べて今の沖縄のシーンって、どんな感じかな?
MASSHI:昔は、お客さんとかで来る人も、さっきも言ってたようにプレイヤーが多かった。
プレイヤーのお客さんが多くて、出る人もプレイヤーで、っていうのが多かったんですけど、今、どっちかって言うと色々 なんだろう。出るプレイヤーの友達とか、そういう人がお客さんとして見に来てくれたりとか。あとはシンプルにそのビートボックス、YouTubeとかで観てて、県外のおっきい大会とかに行きたいけど、県内でもあるからっていうの知って来てくれたお客さんとかもいたりして。
もう完全に、なんだろう、観られ方というのかな?そこ変わってきたってのは、おっきな違いかな。
あとは、そのプレイヤーの人数とかは結構減ったところもあるんですよ。そのグループラインっていうのが、当時、もう6、7年ぐらい前にあったLINEのグループがあるんですけど、ビートボックスの、その時、当時マックスでいたのが、100人近くいたんです。
ウッチー:あ、だから、LEXYとかが練習場所を見つけたっていうグループLINEだ?
MASSHI:あ、そうですね。そのグループLINEがあって、そこでバトルやるよとか、スタジオやるよとかってお知らせして、みんなで遊びに行ったりとかしてたんだけど、そこがちょっと過疎化していって(笑)。
一応流し続けてはいるんですけど。LEXYが来るようになったのは僕らがTwitterとかで流すようになり始めてからぐらいかな?
ウッチー:グループLINEが最初で、Twitterとかは後なんだねー。
MASSHI:後ですね、Twitterとかをメインで使うようになったのは。
沖縄県内は、お客さんの比率増えて、プレイヤーの比率は減った。
よこまろ:アクティブなプレイヤーがちょっと減ってるからね。
ウッチー:一応確認なんですけど、そのグループLINEっていうのは、主にプレイヤーが参加するんだよね?
MASSHI:そうです、ビートボックスやってる人が、もう100人近く参加してた。
よこまろ:今は40名ちょっとぐらいかな?
MASSHI:まあ、そうですね、40名ちょっとぐらいで。実際に現場来るってなると、またその半分ぐらいなったすね。
よこまろ:あと今、音語のミッションプランは、次の世代をどんどん見つけたいっていうのがあって。全国で知られている沖縄のプレイヤーっていうのは結構、音語で固まってるってのがあるんで、それ以外の後輩とかにもやっぱり出てほしい。沖縄のビートボックスかっこいいんで。うん、間違いなく。
それを知ってもらいたいし、育ってほしいし。えー、今ちょっと、なんて言うんだろうな。技術はあるけど、やるところがなくて踏み出せないっていうのがあるんだったら、それを手助けしたいっていうのが今すごい強いですね。
ウッチー:だからワークショップとかプッシュアップに繋がってくるんだね。
よこまろ:はい。発掘してどんどんステージに出させて・・・
MASSHI:沖縄のシーンというより、沖縄の中で南部のシーンとか中部のシーン、北部のシーンとか出てきたらいいですね。
よこまろ:あー、面白いね。
ウッチー:実際、彼ら(この時のワークショップに参加していたプレイヤーの一部)なんかは中部のシーンの人たちだよね?
MASSHI:彼らがイベントを作り上げたりとか、例えば中部でバトルやりますとかあったら、めちゃくちゃ俺ら騒がしに行く!
ウッチー:中部だったらコザのパークアベニューにGIG STUDIO騒音舎っていうのがあって、そこはオルタナティブスペースだから、多分プッシュアップみたいなのやったら超盛り上がるんじゃないかな?音響も悔しいけどうちより全然いいから。
よこまろ:へぇ。スペース?
ウッチー:あぁ、NEO POGO TOWNっていうオルタナティブスペースの中のスタジオなんだよ。広めのライブスタジオなんだ。めちゃめちゃいいよ。キャパもあるしね。
よこまろ:コンセプトに合うかも。結構なんかアットホームな感じがやっぱりいいと思うから。
ウッチー:ほら、ロックのさ、ライブシーンとは、やはりちょっと接点がなかなかないじゃない?
MASSHI:まあ、そうですね。
ウッチー:だけど、その場所自体は何やってもいいし、『新しい文化どんどん作ってこうぜっ!』ていう場所。まぁ俺とかもそうだから。多分この(DUB-OXとの)個人的な繋がりがなかったら、ABD RECORD’S BARって、パンクとかオルタナティブのバンドが出るところっていうイメージなわけですよ。だけど、実際蓋開けてみたらそうじゃないし、『新しい文化作ろうぜっ!』て思ってんだよね。思ってるけど、その演者と接点がなかなかないからできないっていうだけで。
よこまろ:プッシュアップいろんなところでできたら良いですね。
ウッチー:いいじゃん!那覇PUSH UPとコザPUSH UPやればいいじゃん。
MASSHI:あ、めっちゃいいかも!なかった。今までアイデアで。
PON:県内で南部予選、中部予選とかあって、で、本選があるみたいな!
一同:ヤバっ!
ウッチー:それはちょっと。普通になんか企画しましょう。協力するんで。
よこまろ:ありがとうございます。めちゃくちゃいっすね。
※コザのオルタナティブスペース『NEO POGO TOWN』のインタビュー記事がVOL.5〜VOL.7で読めます!とても面白い記事なので是非読んでみてください。
→ VOL.5インタビュー『NEO POGO TOWN』前編
第1歩として、沖縄にもワークショップ(交流会)があるよ!
DUB-OX:あ、でもその第1歩として、やっぱこういう、母数を集めるワークショップとかっていうのでも、俺らが把握できてないプレイヤー発掘につなげていきたい。
あの、沖縄の人って、なんでか知らんすけど、『ビートボクサー世界に俺しかいない!』って思ってるんすよ(笑)。俺もそうだったんですけど。
一同:あはは(笑)。
MASSHI:あ、『俺』って、自分しか沖縄でやってる人いないんだろうなぁって?
PON:そう、最初みんなそう。
DUB-OX:もう自分も含めなんですけど、始めたての頃って、そう思ってます。
世界をみて、多分始めてたりとかすると思うんで。だからこの第1歩として、沖縄にもこれがあるよっていう。
沖縄だけじゃないし、日本全国でそういうシーンがあるよっていうのを知るきっかけになる第1歩目かなっていうので、プッシュアップと、ワークショップに関しては、そうそうそう。で、その思いがめちゃくちゃ強かったから、俺はもう全部よこまろに任せたんすよ。実は、この企画って2年前からあったけど、今回このタイミング、ウッチーさんとヨコさんの繋がったタイミングも相まって。じゃあもうヨコさんちょっとお願いしますって。
ウッチー:じゃあこの流れでワークショップの話も少し聞いてみたいかな。
よこまろ:そうですね。ワークショップは今月1でABD RECORD’Sありがたく貸していただけるので、色々試行錯誤してる感じなんですけど・・・ワークショップのあり方とか、どういう風にやっていこうかとか。
とりあえずそこで沖縄のプレイヤーを発掘して育てたいというのが1番なので、これは毎月開催を目指していて、で、プッシュアップは沖縄の若いプレイヤー中心にしていこうかなって思ってるんで、そういうところに出したりとかしていきたいなって思ってますね。
もし、沖縄在住でちょっと気になる人いたら、ホントにどんどん来てほしい。そのためのワークショップだと思ってるんで。
沖縄は才能の宝庫?!
DUB-OX:俺たちはもう自分たちが売れるじゃなし。えっと、もうスター作りたいんすよねー。
よこまろ:うん、そうそう。
DUB-OX:まあ俺たちも生涯プレイヤーですけど。やっぱ今日のやつ見て多分思ったと思うんですけど、講習会(WS)に来てた子がバチボコにステージでかましてるのとか見てるじゃないですか。沖縄って結構みんな天才肌なんですよ。
MASSHI:そう、埋もれてるだけでセンスのある子がすごく多い。
ウッチー:そういう子たちをやっぱ引っ張り出していきたいよね?
MASSHI:そうですね。
よこまろ:俺らからしたら、『お前ら才能あるのにもっと出ろよっ!』ていうのがあるんですよ。もうもう原石が見つけたら、いてもたってもいられないんですよ。
だからそういうワークショップで出会えたりとかしたら、もうめっちゃいいですよ。
沖縄のビートボックス、ほんとにかっこいいんで、始めたての子とかもすごいかっこいいし、何か尖ってる部分があって、これはもう県外じゃないんですよ。そういう特殊な感じ。
MASSHI:特殊な感じがありますね。
LEXYステージの上で音語にラブコール&メンバー入り!
よこまろ:じゃあLEXYについても。『音語』には割と最近入ったんだけど、
LEXY:去年のセカンドランゲージだから・・・去年の11月、2022年11月。
よこまろ:その、音語に入ったきっかけとか。
LEXY:去年1年、学校休学して・・・そんなに理由はないんですけど、県外に住んで、その時めっちゃフッカルで、とりあえずイベント出たいなっていうのがあっりました。
DUB-OXさんたちのライブだったら、基本行こうっていうので、あの、結構、多分、渋谷bbb以外は行った気がする。
一同:あー、そうね。
LEXY:で、9月に一旦帰省して、その時に、DUB-OXさんから、他のメンバーに『音語』入りたいって言ってみな!みたいなことを言われて・・・自分は、はたから見てて、『音語』ってめっちゃ仲よくて、羨ましいなっていうのはあったんですけど、県内の中では、新参者の自分が(音語に)入らしてくださいとはとても言えなかったんですよ、それまでは。
でも、DUB-OXさんがそう言ってくれて、そっから入りたいっていう気持ちが明確になって。
11月頭ぐらいに沖縄に帰ってきたタイミングでセカランがあって・・・セカランの前から、多分、個人個人とかに、『音語』入りたいですみたいなことは言ってたんですけど。
セカランで優勝したら言おうと思ってたんだけど、ベスト4まで行って音語のPONさんに当たって負けて・・・で、まあ、言うんだったら、このタイミングかなっていうので、ステージの上でお願いして、そこで入れてもらいました。
ウッチー:ステージの上で?!(笑)
PON:そう、ステージの上で!
DUB-OX:『入れてください!』って(笑)。
MASSHI:マジ、フラッシュモブでした(笑)。
LEXY:そう、1番は、うん、優勝して言いたかった・・・。
よこまろ:ちなみに、DUB-OXに入りたいってなった時に、DUB-OXはどういう感じだった。LEXYが入りたいってなって、『あ、入れよう!』みたいな?
DUB-OX:いや、あの、俺らのライブ見て、うん、初めて泣いたんですよ。
よこまろ:おおーー!
DUB-OX:初めて泣いたお客さんだ。
で、その泣いた理由が、俺の中で、すごい似てるところがあって。『なんで俺がこのステージにいないんだ。』って。
よこまろ:あーあ。
DUB-OX:で、泣いたって。なんで沖縄で頑張ってる先輩たちがこのステージにいるのに、なんで自分がこのステージにいないんだって、悔しくて泣いてた。
そん時に心打たれて。俺はそれだったんすよ。それが、えっと、Taix2さんも知ってると思うけど、俺にとっては『幻海岸』だったんすよ。
Taix2:あっはっはっは、『幻海岸』で泣いてたんだー(笑)。
DUB-OX:悔しくて泣いたんですよ。『なんで俺ここにいないんだろう?』って。
Taix2:めっちゃいい話。
よこまろ:豊崎の?
DUB-OX:そう、コロナフェスの跡地をそのまんま使った時の幻海岸で、俺、悔しくて泣いたんですよ。
MASSHI:すごかった。イベント自体がもう大成功すぎるぐらい、もう観客も全部、雰囲気全部がっちしてて。
DUB-OX:『なんで俺はこのステージに立てなかったんだ。沖縄でアーティストやってんのに。』っていう気持ちがあって、俺、そのまんまの勢いで沖縄でライブしまくって、あの幻海岸の第2回の時に、俺でれたんすよ。ちゃんと呼んでくれたんすよね。
Taix2:キャパ多すぎて誰もみえなかったんだけど、DUB-OXもでてたんだ!
DUB-OX:そう、俺も出てました。VOL.1で、第1回で悔しすぎて泣いちゃって。
Taix2:すごいね。(VOL.2まで)そんなに期間ないでしょ?
DUB-OX:いや、1年。1年でライブしまくって。それこそ、ハイナ(沖縄のDJ)さんとか、それこそ唾奇(沖縄のラッパー)さんとかに。『俺のライブ見てください!』って言いまくって、ヤバかったら次の幻海岸呼んでくださいってリハで言って、それからライブやって・・・みたいな。
Taix2:ギラついてたよね。なんか普通にセッティングで結構大御所の先輩がDJしてたり、ゲストがDJしてたりする時に『ビートボックスでやっていいっすか?』とか言って(笑)。
一同:そうそうそう。
Taix2:『ビートボックスいつやれんすか?』って。
DUB-OX:やりたいです。やりたいです。マイク持たせてくださいつってガンガンやって。
Taix2:『今DJしてるから、オープンマイクでね』ってな(笑)。
DUB-OX:ていうので1年間頑張って出れるようになったんですよ。で、LEXYがその時と同じ気持ちを持ってるなと思って。
Taix2:熱い魂。
DUB-OX:そうそうそう。そこで、俺の中で結構くらうもんがあって、『お前、音語入りなよ』っていう話から。
LEXY:・・・今に至ります。
よこまろ:LEXYはどう?入ってみて。
LEXY:仲いい友達みたいな感じで入ったんですけど、まずは飲みに行ったりとか、集まったりが、前より簡単にできて、1番はそれが嬉しいです。
ワークショップの話とかは正直知らなかったんですけど、チームとしてやるんだったら、ちゃんとついていきたいなっていう気持ちです。
ワークショップとかは今の気持ちですけど、自分としては、ちょっとまだ実力がないなと思ってるし、・・・暗いんで。講師には向いてないなと思うから、自分のやりたいこととすり合わせながら、関わっていきたいなって思います。
よこまろ:音語はちょうどいいかもね。やりたいことが皆それぞれあるから。
LEXY:もう、ワークショップ、多分、今回もあんま喋ってないんですけど、だったらもう、その中の1つのコンテンツとしてコーヒー出したいとか。なんか関わっちゃいきたいから絶対。
だから、その中での役割を、できることを一緒にやりたいです。
よこまろ:いや、めっちゃいいと思うしね。その役割って自分で見つけていくのがやっぱ大事だと思うから。音語の関係ってのは、どうしてもその、目の前のやってることとかに固執しがちだけど、自分のできるとこは絶対どこかであるから。俺も結構そういうの考えるタイプだから、悩んだりとかあったけど、いいと思う。
PON:LEXYが加入したことによって、すごいいろんな角度から・・・
MASSHI:そう、結構柔軟になってきたね。
よこまろ:そうだね。凝り固まってたけどね。
PON:年下の観点から見れる。俺も若いけど、さらにまた下。なんて言うんすか、フレッシュな考えというか。うん、すごいいいなと思います。
よこまろ:実際あると思うね。一緒にいるのはLEXYとPONが多いもんね。
LEXY:そうですね。
よこまろ:これはもう、気が合うとか?
PON:こいつ(LEXY)がもう、しつこく誘ってくるから(笑)。
一同:あははは(爆笑)
よこまろ:うちの中で結構、音語内で遊ぶメンバー、単独で遊ぶメンバーと、なんか決まってて、PONとLEXYが最近2人多くて、俺とMASSHIが多くて・・・
サウナ行ったりとか、温泉行ったりとか。
DUB-OXは、PONともMASSHIとも、俺とも2人で飲みに行ったりとかするんだよね。
そういう感じだね。
ウッチー:なんだよ、サウナ誘ってよ。みんなで大山サウナ行こうよ。
MASSHI:あ、あの、宜野湾の大山のあっちですか!!いいですね。いきましょう!
ウッチー:いいよー。昭和の大人の世界みたいな感じで。
MASSHI:へーーー!サウナめっちゃいきて。
ウッチー:サウナだったらいつでも行くから!
音語の3人ユニットとしての作曲活動について
音語 [ウトゥグチ] / Standay -HUMAN BEATBOX THREE MAN CELL SOUND- (Official Video)
よこまろ:こっからはちょっと、音語について詳しく話したいんですけど。音語のメンバーは7名。
そのなかで、PONとMASSHIとDUB-OXは『音語』っていう名前で、3名でライブ活動するんですけど。
3名でのネタ作りっていうのは、どういう風にしてんのかな?役割とかがあるのかな?
MASSHI:役割かあ・・・もうめっちゃ大まかですけど、PONが土台で基礎音とかやって。DUB-OXがリリックだったりとか、ベースライン、まぁ支える方の2つ目です。で、僕が特殊音とかよく使うんですけど、いろんな音を使って暴れる係をやらせてもらってます。
よこまろ:ネタはどんな風につくってるの?
MASSHI:大体、DUB-OXが案を引っ張ってきて、さっき言った役割に当てはめていく。
よこまろ:ほぉー。
MASSHI:こんな感じのニュアンスでやりたいんよねってのがあったとしたら、PONがドラムとかそういうのでやって、DUB-OXがベースラインとかそういうのをやったり、で、僕が上ネタをやったりして。
最初の頃は聞きながら耳感で、フリースタイルではめたりとかってのもあったよね?
感覚で合わせて、あ、これいいじゃんって、それ録音して、そのまま。
よこまろ:一旦フリースタイルで合わせてからやっていくみたいな?
MASSHI:そういうのもあるし、もうマジで1から組み上げて、こういう雰囲気でやりたいんだよねってのもあって。作り方は、もう、どんなやり方でもやるという。
よこまろ:あー、決まったやり方ってのは特にないんだ?
MASSHI:特に決めてないから、いろんなやり方で、やってますって感じです。
音語のライブ活動で特に印象に残ったのは?
よこまろ:これも個人的にちょっと気になったのがあって。音語3名のライブで。1番記憶に残ったライブってどうかな?
まぁ、一人一人違うと思うんだけど。これ、忘れられないみたいなの。
MASSHI:ライブで?
よこまろ:そうだね、ライブでいいかな。沖縄でのライブもめちゃくちゃ多いじゃん。今、県外のライブもどんどん増えてるし。
MASSHI:じゃあ、『せーの』でいう?
一同:おお、いいねいいね。『せーの』で。
MASSHI・PON・DUB-OX:『せーのっ!』
『$%&&#&#$%&%$#!!!』(全員違う)
初めて1000人規模のイベントでステージに立った『トシトリ』
よこまろ:全員違う!・・・じゃあ、MASSHIは?
MASSHI:トシトリ!最近の。今まで、ライブの規模感が、やっぱマックスも数百名の規模のところだったけど、初めて今年1000人規模で。
よこまろ:めちゃくちゃでかかった。
MASSHI:めっちゃおっきめの箱でやらせてもらう機会があって、今まで、もう5年近く俺ら3人でライブしてるから、やってきたものが綺麗にバチンって。個人的になんですけど、できて。お客さんも、思った通りに、思った以上にボンって沸いて。
もうそれこそStanday(※途中に埋め込んだYouTube動画がこの曲です。)やった時とか、もうイントロの時点でもう『おーっ!』てなって、もうなんかいろんな声援とかあんなの聞こえて、自分がやりたいようにできたってのと、なんかやってて1番気持ちよかったかな。っていうのがすごい印象にのこってる。
よこまろ:MASSHIの1番記憶に残ってるんだ。
DUB-OX:まぁ、こいつリハーサル遅刻したけど(笑)。
MASSHI:遅刻したけどー!
DUB-OX:音語のリハ、2秒しかできなかったけど。
一同:笑
よこまろ:1番記憶に残ったやつが1番やらかしてるんだ。
MASSHI:いや、そうそうそう。あ、それ。・・・(動揺)・・・それもあって、あの、なんか。そうそれ。・・・(動揺)・・・そういうこと。
一応やらかしたけど、ちゃんとかませたっていうのは、よかった。
DUB-OX:MASSHI史上一番良かった!
MASSHI:あっちにリハ12時開始っていうのはもう知ってて、10時半に出てたんですよ。うん。あの、池袋から横浜までで45分から1時間。
DUB-OX:言い訳すんなお前っ!
よこまろ:こりゃだめだよ(笑)。
MASSHI:ダメだなこれダメだな。ま、遅刻しました。遅刻したけど、ちゃんとやったってのが印象に残ってる。
DUB-OX:いやーそれはマジでそう!取り返した!
MASSHI:取り返したし、取り返し方が予想以上に気持ちよかったっていうので印象にのこってます!
よこまろ:プラマイ0に持ってってるぐらい2人の腹落ちしてる(笑)。
DUB-OX・MASSHI:まあまあま、そうですね。
よこまろ:PONは?
PON:僕はBABEL(LAST BABEL ASSEMBLEという大阪のバベルクルー主催のバトルイベント)。
よこまろ:おー!いいね!大阪のBABELってイベント。ビートボックスのイベントなんですか?
PON:ビートボックスの、結構歴史のあるイベントなんですけど、ビートボックスのコアなプレイヤー層が集まるという。僕、1回しか行ったことなくて、ちょうどラストだったんですよ、BABELが。
MASSHIもDUB-OXもそのBABELには招待されてるし。招待制のバトルなんですよ、BABELって。
そのBABELっていうクルーが。日本からピックアップした16名が集まる。
MASSHI:規模がでかい時は32名。
PON:そう、そのラスト・バベル・アッセンブル(LAST BABEL ASSEMBLE)っていうのに僕ら初めて県外でゲストライブに呼ばれたんですよ!
よこまろ:おお、初めて呼ばれたライブなんだ。
PON:クニトリ(日本最大級のビートボックスイベント)を優勝した後に、初めてゲストライブ呼ばれたんで、めちゃくちゃ印象に残ってますね。
しかも枠30分あって。
MASSHI:40分!
PON:40分か。
DUB-OX:40分のライブを完遂した!(※ビートボックスのライブで40分って、かなり長いステージです!)
よこまろ:その時のって、この3名のやつはどれぐらいやってたっけ?年数的には。結構もうライブもガンガンしてる時期?
PON:あ、もう去年。
よこまろ:去年か。えー最近じゃんじゃん。
DUB-OX:1年しか経ってない。やば。
よこまろ:規模感はどうだったの?
PON:バベルはどれぐらいかな。あの、サイバーより少し小さいぐらい・・・100くらいの箱で。
あ、その時はそれぐらい。
MASSHI:ライブやってる時、めっちゃ気持ちよかったですね。
PON:もう、わけわかんなかった。もう楽しいし。うん、なんか超沸くし!みたいな。
よこまろ:いつもの沖縄とは違った現場で初めてやって。
PON:その前の月にクニトリっていう、『県代表の国取り』ってイベントで優勝して2週間経ってないぐらいで、ちょうどタイムリーだったんで。
『俺ら、優勝してBABEL行こうぜ!』って、見事うまいこと言って優勝して。
DUB-OX:記憶飛ばしたんすよ。
PON:酒飲みすぎて・・・
よこまろ:DUB-OXはどういうライブ?
DUB-OX:South Side!
よこまろ:サウスサイド!懐かしいーーー!
DUB-OX:沖縄のイベント。そう、音語で1番最初にライブしたとこ。
よこまろ:えー!
DUB-OX:G-Shelter(かつて那覇にあったライブハウス)で!
MASSHI:県内のライブ活動では俺は一番印象に残ってるかなー。
DUB-OX:正直1番最初、もう右も左もわからんくて、初めてステージに立った場所。3人とも緊張して・・・
よこまろ:結構大きいイベントだよね、サウスサイド。
MASSHI:大きいっていうより、当時の若手応援イベントみたいなイメージ。
あの当時、最前線走ってた若手のラッパー、プラス俺らっていうので。
DUB-OX:そうそうそう、そん時に初めて、『音語』っていう名前で、フライヤーにクレジットされたの!
MASSHI:うわあ、、、、やばっ!
DUB-OX:フライヤーに初めてクレジットされた時に、『かまさなきゃ!』っていう、まあ、あれもあるわけ・・・でも、緊張しすぎて。
もう、俺とPONはね、ありえんくらい、しこたま酒飲んで。
よこまろ:そっち?!(笑)
DUB-OX:ゲロで。だからもう、そのせいで、俺らライブ前に酒飲むのが習慣になって。ギョロギョロになるまで酒飲んで、音語1発目の時に、ヒューマンビートボックスって、どのカルチャーにも、良い意味でも悪い意味でも属さないんだなって思った。
言ったら、DJとラッパーって、まあ、セットというか、イベントにいればセット。パーティーにはDJとラッパーがいると。ヒューマンビートボクサーっていなかった。
それを払拭するために、俺自身、個人的にO&DUB-OXっていうので。そう、まあ、いわばラッパーの力を借りてヒューマンビートボックスを普及させようって思ってた時に、初めてビートボックスだけのチーム がフライヤーにクレジットされたイベントだった。
よこまろ:この時のライブはどうだった?
DUB-OX:バッカかました!バッカかましたろ?!
MASSHI:あの時のお客さん、演者の中で1番沸かせた自信がある。
そのスペシャルゲストとか呼ばれてたのも差し置いて、あん時、マベルさんとムクロさんだっけ。あの時ね。おこがましいけど、差し置いてかました自信はある。
めっちゃ思い出に残ってる。
PON:あん時のネタ、今は全然やってないすね。
よこまろ:あの時しかやってないネタがあるんだ?
MASSHI:その時しかやってないっていうよりかは、徐々に徐々にそこはそぎ落とされてきた。
よこまろ:あ、ネタの原型がどんどん変わってきてるのかな?原型というか。
MASSHI:もうあの当時はサンプリング中心が多くて、四つ打ちとかやってた。
よこまろ:おーやってたやってた。
MASSHI:あれとかをやってたのを、逆に自分らで作ったルーティーンだったりとか、Standayとか、あんな自分らの持ちネタとか、もっといいものをどんどん改良してできるようになってきたからこそ、その当時あったものとか、そぎ落としたりとか。で、たまに復活させたりとか、ライブで引っ張り出してきてやったりして・・・
BABEL、サウスサイド、トシトリかも、俺の中では。これが3択だったら!
よこまろ:サウスサイドはやっぱり3人とも?
MASSHI:結構印象強めで。
DUB-OX:印象強いっていうか、言ったら初めてのライブだから『そりゃ印象に残るわな!』みたいな。
音語の今後の目標『良いも悪くもないです!行くところまで行きましょう!』
よこまろ:じゃ次、最後の質問。音語の今後の目標とこれからの活動についてDUB-OXにまとめてもらおうかな。
DUB-OX:『音語の目標!』決まってるじゃないですか。『音ってもう1個の言語である』っていうのをテーマにはしますけど、活動としては『1人でできないことをみんなでやろう。1人の力じゃできないことをみんなでやろう!』だから、今後、音語がどう活動していくかはみんな次第です。
よこまろ:やりたいことをどんどんやって。
DUB-OX:そう。個人個人でやりたいことをみんなの力でやるんだから。もしかしたら飲食店ができるかもしれないし。もしかしたら洋服屋さんができるかもしれないし、もしかしたらレコード会社ができるかもしれない。でも、その、もしかしたら1人でできない、その妄想の世界を、今いる7人、こっから増えていく何人か、10人になろうが、50人なろうが、100人になろうが、そのみんなで、それが実現すればいいんじゃないかなって・・・でも、その根底に音楽っていうのがある。音楽で繋がった人たちが、自分1人でできないことを全部実現させることができたら良いと思う。
よこまろ:それはもう、まじ感じるね。もうほんとに最近。PUSH UP(県内バトルイベント)やってみたいとか、ワークショップについてもみんなで立ち上げていって。
DUB-OX:その第1歩として、よこさんが言ってた『沖縄のプレイヤーの底上げイベントをやりたい』っていうのを、みんなで協力して今、PUSH UPとワークショップが出きてます。
沖縄で1番やばい全国規模のイベントをやりたいっていう俺の願いが、みんなのおかげで叶って、セカンドランゲージがある。
そういうの全部含めて、個人個人のやりたいことを、じゃあみんなの力でやろう、1人じゃできないんだったら、みんなの力でやろうっていうのに重きを置いてるので、目標としては、、、
『良いも悪くもないです!行くところまで行きましょう!』
よこまろ:めっちゃ最後締まり良かった。(笑)
一同:ありがとうございました!おつかれさまでしたー!
ーーーと、前編・後編と掲載してまいりました『音語』インタビュー、いかがだったでしょうか?
僕の印象としては、インタビュー中にもあるように、沖縄県内の南部・中部・北部などエリアごとの予選があって、そこから本選のようなバトルの流れとか、ワークショップなどを通じての若い才能の発掘とか、彼らが目標とする未来がキラキラと比較的近くに見えるように感じました。
まだビートボックス未体験の方も、是非彼ら『ビートボクサー』の世界を体験してみてもらえたら良いなと想いを馳せつつ、記事を締めくくりたいと思います!
2023/12/4 ABD RECORD’Sにてインタビュー収録
音語(ウトゥグチ)のMASSHI・PON・DUB-OXによるユニット配信音源
Standay -HUMAN BEATBOX THREE MAN CELL SOUND-
https://www.tunecore.co.jp/artists/UTGUCHI音語 BEATBOXスクールがLINE公式アカウントに登場!
お得な情報を受け取るには、以下のリンクから友だち追加してください。
https://lin.ee/2OrZqlv
Column
コラム『Hoseya Barrazaのwoho woho dream diary Vol.6〜思えば遠くにきたのかね?〜』
コラム:Hoseya Barraza
那覇市久米のThe Hologram Cityオーナーにして、THCBOYSボーカル、WOHO代表といくつもの顔を持つ魔窟の民。
心のアイドルはチェッカーズ!サードアイを持つ。
絶対これ梅雨入ってるだろ💢発表無いのは、ゴールデンウィークだからって客足伸ばすためか!?あ?国民を騙しやがって!やっぱり陰謀ってあるんじゃねーか!てのを身沁みて感じる4月も終わりましたね♡
ホログラムシティー代表ホセヤ・バラーザです、おはこんばんちは♪
さて、早いものでなんと、ホログラムシティも今度の7月で10周年を迎えることになりました〜888888
正直アッというまの10年間!
せっかくなので今回は、ホログラムシティの成立ちを話してみますね〜
ホログラムシティ始める以前は久茂地の『LINE』というお店に勤めてました。(現在那覇市西町に移転して『HIGH』として営業中)
ここは、Rock寄りのミュージックバーで、ここでほぼ初めてバンドサウンドに触れたんですね。『Loopers』って名前でレッチリのコピーバンドしてました。なので私、アンソニーできます!笑
当時は、仕事も順調で音楽活動もたくさんライブさせてもらえて充実してた時なんですが、40代を目前にして、ふと独立を考える様になりました。自分の店を持つ事もさることならば、バンドも自分のバンドを持ちたい。とくに、洋楽のコピー三昧だったので、ヘタでも良いからオリジナルを作りたい!って意識が沸々と湧いてきました。マジで英語の曲、コピーするのしんどかったんですよ〜(汗)
で、丁度その時、ホログラムシティの場所で友達がメタルとお笑いの映像で勝負している店をやってたんですけど、新しい仕事見つけたみたいで、そのお店を辞めることになって、で、そのお店の大家さんと彼の関係性が上手くいっているものだから、店を空家にするのは忍びないという事で、次のオーナーを探してると教えられてすぐ見に来ました。その部屋はとにかく驚くほどボロボロで、壁紙にヤニとカビがびっしりで湿気が全く抜けてなく、床も剥がれている状態。1時間くらい居たらガンになるんじゃないかってくらい空気も悪かったです。一言で言うと廃墟でした笑
でも、なぜか惹かれるものがあったんですよね〜…。
実はこの場所に30年前くらいに遊びに来たことがあって、ちっちゃなシンクロニシティがあったりして、少し不思議な体験をしたんですね。まぁ、その時の話は今日は割愛。いずれ、ホセヤのオカルト体験版(仮題)としてお伝えする予定です。
そんな感じで、お店開くならここだなと思い。少しお金と労力はかかるけど、頑張って綺麗にして、ここで開業する決意をしました。
で、ホログラムシティ始まるんですが…、DJとバンドマン両方の経験あったので、なんとかなるかと思い、どちらの特徴も活かせる店を作ろうと思ってたんですけど、よく考えたら俺がやってた仕事は元々バーテンで、ライブハウスもクラブも働いた経験無かった!オープン3日くらい前に気づきました。
機材は持ってるモノや人から譲り受けたものを中心にして、足りないものは買って補う…、あれ、俺サウンドシステム組んだことない〜つって、ほとんど勘で配線しました。めっちゃパニックの中、沢山の人に手伝ってもらってどうにか音出ましたけど…。本当あの時お世話になった方々には感謝しています。とくに『疾刃』のおデー君ありがとう!!!
正直今でもだいぶ勘だけでPAやってる節ありますが
m(_ _)m
それで、通常営業始まるんですけど、危ない目にあったり(いつかホセヤバラーザ危機一髪編(仮題)で伝えます)、ロマンスがあったりして(そのうちホセヤのラブラブ日記(仮題)にて…)、3年くらいは何をやっていたか殆ど覚えて無いんですが、『SOW THREAT』の八幡氏や『DJ失格 a.k.a txqx』に出会って、パーティーの幅がグンっと広がったのは間違いないですね。
そして、5周年迎えた2019年に3日間ぶっ通しで、大きなパーティーをやらしてもらいました。
この頃にやっとミュージックバーをやってる実感が湧き、これから頑張っていくぞーと意気込んでいた矢先、コ・ロ・ナ(泣)
なんでやねん!の日々を悶々と過ごす毎日…、ですが、そこで、一条の光!頼れるスタッフ銀ちゃんが、俺の代わりに界隈のお店やミュージシャンのところを廻る廻る! そのおかげでコロナ明けの時には銀ちゃんエフェクトで、俺まで友達がたくさんできてる感覚を頂きました。ナイスアンテナ♡
その後、マスク解禁2023年あたりから多くのお客様や関係して頂いてるみなさんと素晴らしいパーティーを続けさせて頂いています。
なんか毎年がイレギュラー、色々ありすぎて今だに仕事に慣れる感覚が掴めませんが、これからも益々楽しく邁進して行こうと思いますので、皆様どうかお付き合いの程をよろしくお願いします。
つきましては、10周年を迎える7月に、ほぼ毎週に渡ってパーティーを企画しております。来月の『沖縄地下音楽』のコラムではそれについて書こうかな。
毎度毎度、私の一人語りにお付き合いいただきありがとうございます!
それでは皆様良い五月をお過ごしください。
さよならっきょ♪
Hoseya Barrazaのミュージックバー『ホログラムシティ通称:THC』では、コラムの語り口そのものの生ホセヤさんと楽しく夜通しお話しできますよー♪
那覇にお越しの際には是非お立ち寄りください!!
The Hologram City(通称:THC)
那覇市久米2-16-48 地下1階
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2024/2/11 Lacy Loo@久米騒動(The Hologram City)
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