沖縄地下音楽 Vol.004
2023/12/01 発行
- ライブレポート『HELL型』
- ライブレポート『THE KiPPiS』
- ライブレポート『ANTI USE HEADZ』
- レポート&インタビュー『ONE MAKE』
- コラム『Hoseya Barrazaのwoho woho dream diary』
- ディスクレビュー『SOW THREAT / Why?』
- フォトギャラリー・ペナンガランボーイフレンド@超来来謝謝
- フォトギャラリー・THE STRAYMAN@超来来謝謝
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- いっちょむ漫画
- 次号予告
Live Report
ライブレポート『HELL型』
2023年11月11日〜12日にかけて、コザ騒音舎と那覇GIG昭和で開催された『超伝導GIG』。県外から来沖の3バンドを招いた豪華イベントの1日目に登場のテロイド・ミュージック・バンド『HELL型』のライブレポートをお送りします。
ライブレポート:スターレス(はるき)
空想する人。
惰眠を貪って〼。
プログレとモフサンドが好きデス。
去った夏に、スラムバーでHELL型をはじめて観た。とにかく筆舌に尽くしがたい衝撃に打ちのめされたぼくは、また次もライブに足を運ぼうと誓った。
伝説の一夜の2発目、久米騒動のVOL.2にABDでトリとして登場したHELL型のライブは、ぼくにとって忘れられないものとなった。
バンドのメンバー4人の放つ凶暴な音とグルーヴもさることながら、ボーカルのナルトさんが曲間に話すMCが強烈だった。
曲の説明が主ではあったのだが、彼の抱く国家や社会への憂いや怒りが凄絶にぼくの胸に突き刺さった。
ここまでポリティカルでアグレッシブなメッセージをこめた音楽を演奏するバンドがいることに衝撃を受けるとともに感動させられた。
音楽である以上、楽しくて何よりだし、ライブを観戦するからには陽気に騒いだり踊ったりもしたいものだ。
しかし、ぼくはこの破壊的な音像にのせて叫ばれる戦いの歌に脳髄を揺らされながら、世界について思考したり自分のことを哲学めいたもので傷つけたいなって思った。
ロックで世界を変えらるんじゃないかって、かつてぼくがみた幻想を現実のものとして感じることのできた夜だった。
HELL型の音楽は、ジャンル的にはパンクやハードコアやガレージと呼ばれそうであるが、なにか得体の知れないものとしてぼくの耳に響いていた。謎に感じた彼らの音楽は、どうやらテロイド・ミュージックと呼ばれているらしく、精神の向上や肉体の強化を促しロックの持つ精神性や思想性の体現を試みるものらしい。
どうやらぼくは、気づかないうちにテロイドが必要不可欠な中毒者になりつつあったようだ。
そして、幻想を現実のものとして再確認すべく、HELL型の放つテロイドを目撃しに理想郷ネオポゴタウンにある騒音舎を訪れた。
県外から来沖の3バンドを招いた豪華なイベント『超伝導』の1日目。その4組目に彼らは現れた。
彼らは出立ちもカッコよくて魅力的である。もしも寺山修司がバンドを作ったら、HELL型のようなバンドになるんじゃないかなって思う。実際、彼らの風貌は寺山修司の音楽的右腕であったJ.Aシーザーの率いる悪魔の家のようである。
Bスタジオでセッティングをはじめると、断線への苛立ちを歌にする彼ららしくNA.HELLことナルトさんがシールドのからまりを直しながらぼやきつつステージは幕を開けた。
「考える戦いが世の中にはあります」という彼らのテーマ曲とも云える『考戦』からライブははじまった。M山デス蔵氏のSGから悪魔的なノイズが吐き出される。弍壱モタ狼氏が地獄のステップを踏みながらベースを刻む。長谷川ハセス様がカオティックなドラミングを轟かす。そこに痛みと怒りをファズにこめてナルトさんが強烈な絶叫をあげる。
腐った世の中にする狂った支配者たちへ、テロイドを武器にライブでもっての開戦だ。
地獄のグルーヴにカラダを揺らしながら、ナルトさんのことばに耳を傾けてアタマで考える。
開戦早々、ぼくのハートの戦場は歓喜の火の海だ。
間髪を容れずセカンドアルバムの冒頭を飾る『闘走のジェニー・カラン』へと続く。モタ狼氏が監督したMVもイカした疾走感みなぎる楽曲で、会場の全員が一気にHELL型ワールドへと連れ去られてしまった。
続いて、頼りない政治家への憤怒が噴出した『AI(仮)』。
短いながらも目まぐるしく展開するプログレッシヴなナンバーだ。AIが進化して、政治家や権力者の不正をいとも簡単に断罪するAIが誕生するといいなと云う、ナルトさんの潔い願いが込めれているそうだ。
そして、ダンサブルなキラーチューン『Noproblemizm』が演奏されると、バンドのテンションも最高潮に達する。
CDよりテンポも若干速く、その性急さがまたカッコよく、その焦燥感が彼らの思想をより際立たせて感じられた。
モタ狼氏の地獄のステップも最高潮に達し、リーガンも顔負けの悪魔の反り返りでフロアを反り返り抜けていく。ハセス様も美しい金髪を振り乱しながら鋼鉄のビートを刻む。デス蔵氏の堕天使めいたゆらゆらとした動きは、神の逆鱗に触れたかギターの弦を切断されるという憂き目にあってしまう。
しかし、地獄の饗宴は止まることはない。
フロア中を凶暴な音の塊が駆けめぐり、ナルトさんのアジテーションは恍惚に酔いしれるぼくらに美しく降り注ぐ。
「自殺するな!」と云う祈りをこめたポップチューン『NORARI』、ハードでサイケな新EPの一曲目『XXXXXX』、陽気なブルーズ『End End』、コロナ禍以降の世の中でコロナに罹らずとも味がしないぜ、と云うユーモラスかつシニカルな眼差しで歌われるメロディックな『D.N.T』と一気呵成に演奏されると、あっという間にラストの楽曲へと雪崩れ込んだ。
イントロがはじまり、ナルトさんが「政治家は世の中で、いちばん戦争が醜いということをまだ気づいていないから・・・」というMCで口火を切るが、肝心な部分は轟音と歓声でかき消されてしまった。
しかし、その歌に込めた祈りは、バンドの放つ熱量と音圧と絶唱のなかにある。
タイトルのまだないこの新曲は、無辜の民の自由を脅かす体制やシステムへの、きっと彼らの宣戦布告だ。インダストリアルなビートと不穏で不気味なリフにのせて、もはや何語なのかも判別不能な呪術的で退廃的なメロディーが紡がれる。
まるで空襲警報のようなこの楽曲は、ぼくらの住む世界がずっと戦時中であることを訴えかけてくる。醜く狂った世の中だからこそ、守りたい大切なもののために考えて戦わなくちゃ、そんな思いがぼくのなかに浮かびあがるのを感じた。
恥ずかしい話だけど、ぼくはいろいろなものをあきらめて生きていた。そんなぼくなんだけれど、HELL型の音楽を聴いて、そのライブを目撃して、なんだか居ても立っても居られなくなってしまったんだ。こんなぼくにも、なにか伝えたいことがあるんじゃないかって、すっかり忘れてしまっていたなにかを、テロイドが目覚めさせてくれたみたいなんだ。
とりあえず、ファズを買いにいこう。
ロックで世界を変えられる。
HELL型の音楽、その表現には、そんな希望に満ち溢れている。
もしあなたが、毎日を傷つけるニュースに嘆いているのだとしたら、日々を疲弊させる不条理に途方に暮れているのなら、ぜひHELL型のライブを観にいってほしい。
きっと、暗黒の世界を照らす光が見つかるはずだから。
HELL型
2023年11月11日 騒音舎
1 考戦
2 闘走のジェニー・カラン
3 AI(仮)
4 Noproblemizm
5 NORARI
6 XXXXXX
7 End End
8 D.N.T
9 (新曲)
文・スターレス(はるき)
2023/11/11 HELL型@コザGIG騒音舎『超伝導DAY1』
写真 by DAITAKU
https://www.instagram.com/daitaku69/HELL型・音源視聴 / SNSなど
・サブスク『NO PROBLEMIZM』
https://linkcloud.mu/50b88e3a
・サブスク『テロイドのすゝめ』
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・X(ex Twitter)
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・インスタグラム
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Live Report
ライブレポート『THE KiPPiS』
2023年10月8日、那覇ABD RECORDS BAR&The Hologram Cityで開催されたライブサーキット『久米騒動VOL.2』より、那覇オルタナシーン・ハードコアシーンの精鋭たちによって結成された『THE KiPPiS』のライブレポートをお送りします。
ライブレポート:いっちょむ
絵や文を書いて生きてるひと。
沖縄県出身。
好きなものはライブとひじきの煮物。
THE KiPPiSは爆音の産声を掻き鳴らし、この世に生を受けた。
ライブ経験が今回を含めて2度目のバンド、とだけ聞けば、さぞ初々しいバンドを想像するであろう。
しかし、それが沖縄のバンド界の精鋭たちが集められたバンドとなると話が違ってくる。
『Funnynoise』で鉄壁のリズムを刻むShutaro YonemoriとQianhe、『まちのそこ』名義で活動し、空観日和で活躍したMatilda、『aieum』でギターを務めるSay Yas!。
この面子が揃ってバンドを組むことだけで衝撃的であるのだが、さらに驚くべきはかつて『bomachieca』などでベースを務めたSappiがボーカルを務めることである。
彼の演奏は幾度となく耳にしてきた私だが、彼の歌声は一度も聴いた記憶は無い。
まるで沖縄バンド界のアベンジャーズのようなバンドだが、彼が歌うことでより未知数でありながら、且つ期待が昂まる。
初お披露目のライブは観ることが出来なかったが、10月に行われた久米騒動VOL.2にて、彼らのライブを観ることが叶った。
最初の一音から期待を裏切らぬ爆音が響く。
心地よい歪んだメロディー。
そして足元から伝わってくるほどの強い振動。
その音は期待通りで、だが、彼らは期待を裏切らぬだけのバンドであるはずが無かった。
彼らはその上を超えてきた。
その音色に乗せられたSappiの歌声で、彼らの楽曲の輝きが増した。
ボーカルは恐らくほぼ未経験であるはずだが、その歌声はしっかりと観客の胸に沁む。
心も身体も揺らす歌声であった。
また、彼らの普段見られない演奏にも目を見張る。
特にSay Yas!のaieumでは見られないであろう、シューゲイザーを思わせる力強さと物悲しさが合わさったギターには耳を傾けざる得なかった。
Say Yas!以外のメンバーも勿論、普段の活躍するバンドサウンドを基盤としている面もあるはずだが、どの音も独自性や遊び心があり、このバンドでしかない音を紡ぎ出していた。
つまりそれは、THE KiPPiSがどのバンドにも属さない、新しいものとしてこの沖縄という地に産まれ落ちたということを意味する。
残響音を私の鼓膜の裏に残し、ステージを去っていく彼らの背中を見ながら、私はこのバンドの行末を想像する。
その爆音の赤子はどう育っていくのだろうか。
その音色でどこへ向かうのであろうか。
これからの彼らの活動から目を離してはいけない。
赤子は目を離した隙に直ぐに立ち上がり、私たちの想像すら飛び越え、巣立っていくのだから。
2023/10/8 THE KiPPiS@那覇・ABD RECORDS BAR『久米騒動VOL.2』
写真 by おけいさん・うっちー
THE KiPPiS
・公式X(Twitter)
https://twitter.com/The_KiPPiS
・公式instagram
https://www.instagram.com/the_kippis/
・公式オンラインショップでは、Tシャツやステッカー、缶バッジなども扱っています。
https://thekippis.official.ec/
Live Report
ライブレポート『ANTI USE HEADZ』
2023年11月3日、那覇ABD RECORDS BAR&The Hologram Cityで開催されたライブサーキット『久米騒動VOL.3』より、沖縄ハードコアシーンの元気玉『ANTI USE HEADZ』のライブレポートです。
当初出演予定であったバンドのキャンセルを受け、イベント前日に代打出演に手を挙げてくれたという漢たち!Hologram Cityのこの時間の気温の高さが伝わったら嬉しいです!
ライブレポート:いっちょむ
絵や文を書いて生きてるひと。
沖縄県出身。
好きなものはライブとひじきの煮物。
負のエネルギーを燃料として、彼らはエンジンを回すのだ。
久米騒動VOL.3。
主演予定のとある1バンドがキャンセルとなったその日。
その時間帯に急遽出演が決まったのがANTI USE HEADZであった。
出演予定のバンドを心待ちにしていた観客も多かったのか、彼らの演奏が始まった当初のフロアは先のステージより、やや空いていた。
彼らの立ち位置を客観的に述べてしまえば、ピンチヒッターということになるわけだが、YOGOはMCでこう切り出した。
「ピンチヒッターとか言われてますけど、俺らはライブがやりたくてここに来ただけなんで」
その言葉が嘘偽りで無いことを証明したのが、その後に放たれた彼らの轟音である。
ギター・YUTAKAの掻き鳴らす鋭く切れ味のある音色に、ベースのKOTAROの厚みのあるサウンド、さらにドラム・KIYOの発する地鳴りのような振動が合わされば、あっという間にステージもフロアも揺さぶられる。
その音圧の揺れに体も次第に揺れ動き始めたのか、フロアの観客たちは次第に踊り出す。
すると、それに引き寄せられるように1人、また1人と観客が増え始め、いつのまにかフロアは賑わいを取り戻す。
極太の爆音にYOGOのボーカルが乗ったころにはもう、観客たちにとってANTI USE HEADZは他のバンドの代役では無く、御目当ての本命へと上書きされていた。
その証拠にボルテージの上がる客席は次第に人々が押し寄せ、気付いた頃にはフロアの前方ではモッシュが起き、会場は人々で満ちていた。
熱狂した空気が空間を占拠し、吸っている酸素の温度が高まったかのような錯覚すら陥る。
観客たちはみな興奮でうるさい鼓動を鳴らし、時に歓声と拳を上げて、彼らの演奏に応えている。
観客はもう彼らの音楽を欲している虜だ。
「俺らはラブソングとか歌えないけど、ネガティブな気持ちとかへのラブソングを歌ってるんで」
曲の合間に挟まれる、一聴すると冗談のようなMCも、彼らはもちろん本気だ。
彼らの歌はけして明るいものではない。
だが、思い返してみれば、ハードコアは逆境に立った者たちが生み出した音楽である。
そして、それでいてその逆境を押し返す力の源でもある。
「ピンチヒッター」というマイナスの状況からスタートされたとて、この盛り上がりのうねりを産み出し、逆境を変える歌を紡いだANTI USE HEADZは、真のハードコアバンドであった。
大分涼しくなったこの沖縄の一角で、観客たちに季節外れの汗を滲ませた彼らのステージ。
演奏が終わってもこの熱と残響音は、観客らの体内で止むことはないだろう。
そして、きっと今度からはANTI USE HEADZを求めてライブハウスに足を運ぶのだ。
彼らが産んだ熱で観客の心のエンジンは回り続ける。
負の歌から産まれたエネルギーで、逆境を壊せ。
ANTI USE HEADZ Band Camp
https://antiuseheadz.bandcamp.com/写真 by DAITAKU
https://www.instagram.com/daitaku69/
Report&Interview
レポート&インタビュー『ONE MAKE』
那覇桜坂の老舗BAR・DRINK FAMILYで長年続いている一夜限りのクリエイティブ『ONE MAKE』に密着取材!数々の名曲、MVを生み出してきたクリエイティブ集団の軌跡をインタビューと最新作のレポートで追いました。是非お楽しみください!
レポート:いっちょむ
絵や文を書いて生きてるひと。
沖縄県出身。
好きなものはライブとひじきの煮物。
One Make = Create At One Night!!
その昔、木下藤吉郎(後の豊臣秀吉)が一夜城と呼ばれる城を築いた。
実際には林の中に身を隠しながら、ひっそりと建築し、城が出来上がったタイミングで周囲の木を伐採して一夜で出来たように見せたわけだが、沖縄の片隅で本当にたった一晩で音の城が築かれていることをご存じだろうか。
那覇の桜坂と呼ばれるエリアにある『BAR・DRINK FAMILY』
その店舗の入り口を潜り階段を登った先では、既に音作りが始まっていた。
ONE MAKE。
一晩のうちに1曲の楽曲を制作し、レコーディングまでしてしまう取り組みだ。
一足先に到着していたトラックメーカーであるC-LINEが、サンプラーとPCで黙々と楽曲を制作し、彼の後ろでYOSHIROがDJとして店を賑わせている中、次第に今日の面々が集まり始める。
古くからのメンバーでありレコーディングエンジニアを担当するITO、同じくメンバーであり撮影クルーを務めるS.G.Y。
そして今回歌とリリックを務める2人。
ONE MAKEには10年ぶりの参加だというラッパー・JIS NAGLA(ジス・ナグラ)。
そして今回が初参加となるシンガー・MR(エマル)だ。
彼らが来たところで、C-LINEは作成途中のトラックの一部を2人にデータで送る。
すると2人は早速トラックを聴きながら外に出て、MRは耳を澄まし集中するように聴き入り、JISは周辺を歩きながら音を確かめている。
2人がリリックを考える間も曲作りは続く。
そして、トラックを練り上げているC-LINEの姿の撮影も始まる。
S.G.Yが撮影した動画は最終的にMVとして発表するためのもので、今回の一部始終も全て記録される。
みな各々の役割を果たすため、真剣な面持ちで取り組むのは勿論だが、時に談笑し酒を飲むのも忘れない。
それをFAMILYのオーナー・ナーリー氏が見守る様も、この現場が続く理由を物語っているかのようである。
C-LINEが立ち上がり、トラックの完成を告げると、リリック作りも佳境を迎える。
時折ITOと話し合いながら、MRもJISもスマホに歌詞を打ち込んでいく。
先にリリックが仕上がったのはMR。
それにより彼女の歌のレコーディングから進めることに。
リハーサルとテストを兼ねての録音の時点で、MRの只者では無い歌唱力に思わず目を見張る。
伸びやかで心に沁む歌声は本番でも遺憾なく発揮され、2テイクほどで録音は完了。
それをITOが素早くミキシングするのも見事であった。
彼女も安心したのか、強張っていた表情が笑みで緩んだ。
次いでリリックを完成させたJISのレコーディングが続く。
言葉が詰め込まれたボリュームあるリリックからは、彼のONE MAKEに対する想いが伝わるようであった。
ただ想いを詰め込んだ分、些かハードルを上げてしまったのか数テイクの撮り直しを重ねるJIS。
現場に緊張が走る、かと思われたが、全員がJISを励まし、その様子をしっかりと見守っている。
そして、JISも彼らの気持ちに応える。
まるでライブであるかのような、フロウを交えた力強い歌唱。
それが彼のリリックにガッチリとハマる。
最後にしっかりとしたパンチラインも添えられた。
トラックと歌を録り終えたところで、ITOがそれを素早くミキシングし、プレイバックにあわせてYOSHIROもスクラッチプレイを試している。
完成。
皆が安堵と喜びの声を上げ湧く瞬間。
それをしっかりカメラに納めるS.G.Yも笑顔だ。
「とっても良い曲ができた」
最後にC-LINEがそう零した1曲は、S.G.Yによって編集されたMVとしてYouTubeで公開され、彼らの企画するライブイベント「FM」でも発表される。
一晩で出来上がったとは思えない音の城造りはこうして終了した。
客としてその建築を見届けた私も、そのスピードと緻密さに慄くばかりであった。
ぜひこれを読まれている貴方にも聴いて頂きたい。
聳え立った音の城を前に、貴方も白旗を上げるだろう。
ONEMAKE feat. JIS NAGLA / MR
この夜の一曲がMVとして公開されています!
楽曲の完成度はもちろん、現場の空気感が楽しめる映像作品になりました!
RECOGNIZE PRODUCTION
こちらのYOUTUBEチャンネルで動画が公開されます!
https://www.youtube.com/@recognizeproduction
沖縄熱血社交場(FMが開催される国際通りのクラブ)
那覇市牧志1-3-53 エレガンスカネコビルB1
https://www.instagram.com/nekke2syakoujou/桜坂DRINK FAMILY
沖縄県那覇市牧志3-7-16 2F
https://www.instagram.com/drinkfamily/
Talkin’ About ONEMAKE
ーーー忙しくカメラセッティングとオフショット撮影に追われていた映像担当のスゴヤさん(DJ:S.G.Y)が一息いれにカウンターに腰掛けたタイミングで、ワンメイクについてお話を伺いました。
ウッチー:おつかれさまです!少し時間取れそうですか?
S.G.Y:大丈夫です。何から喋ろうかな?
ウッチー:さっき、ナーリーさん(ワンメイクの制作現場・桜坂DRINK FAMILYオーナーさん)にちょっと伺ったんですけど、13〜4年ぐらい続いていると。この取り組みというか、ワンメイクが。
S.G.Y:ワンメイク・・・どんぐらいやったんだろうな。13年ぐらい? うん、あんま覚えてないな。
ナーリー:うん、長いよね。
S.G.Y:まあ、長いことやってる・・・
え??初めからワンメイク→FMの流れで隔月でやってたんすか??
ウッチー:熱血でやってるFM(那覇のCLUB熱血社交場で開催されるDJイベント)自体が、2か月に1回。前からそういうペースだったの?
S.G.Y:最初は毎月水曜にやってた。
ウッチー:毎月やってたんですか?
S.G.Y:毎月やってて、うん、で、水曜日だったんですけど、どんくらい前かなぁ?10年目・・・FMが10年目迎えるぐらいに、土曜日に引っ越したっすね。だから、それまではずっと 平日水曜日にやってました。で、ワンメイクは、そのDJイベントのFMの後に始まって、2、3年後ぐらい。なので、FMが来年17周年とかだったかな。
ウッチー:17周年!
S.G.Y:ワンメイクは13年くらいやってて。その頃から隔月で・・・
ウッチー:え??初めからワンメイク→FMの流れで隔月でやってたんすか??これを??
S.G.Y:はい。(笑)
二人:あはは。(笑)
S.G.Y:ワンメイクは奇数月にやって、偶数月にFMで、ワンメイクで作った曲も含めて披露する。
ウッチー:え?その頃からこのスタイル?
S.G.Y:はい!
ウッチー:映像もありで?
S.G.Y:映像もありで。で、そうっすね、最初の頃はやっぱりみんな素人っていうか、ほとんど慣れてもないので、あの、なんて言うんだろう、もう 朝5時ぐらいまでかかるっていう。(笑)
ウッチー:わ!
S.G.Y:そうそうそうそう。しかも、スタートも早かったのに。19時ぐらいからスタートして、で、朝5時までかかるとかっていうのが・・・
ウッチー:いや、全然かかるでしょう、そりゃ。
S.G.Y:で、だんだん慣れてきて、今はまあ、ビートはユウキ(C-LINE)が19時に入って。で、完成まで含めて今は6時間ぐらいで。
ウッチー:・・・なんかちょっとその、時間短縮していったっていうのは。あの、ユウキから前はヤバかったってさっき聞いた。(笑)
S.G.Y:いや、大変でしたよ。まあ、若いからできたっていうのはありますね、当時は。
S.G.Y:最初、僕らオリジナルメンバーってのがあって、立ち上げの頃は結構、今のメンツとは違ってて。当時はまずオーガナイザーが違ってて。
まず当時は、Sくんって仲間がFM立ち上げて。
要は『HOT92FM』っていうラジオチャンネルがあって。それを文字って『HOT82FM』っていう、82年生まれのDJでやるっていうコンセプトで立ち上がったんですよ。その時のオーガナイズがSくんで、ダンサー上がりの子なんですけど。 で、もう1人、トニーっていうのと、あと、ボビーってのがいて、そのオリジナルメンバーでやってて。
『俺ここでこの技やりたいっ!』てトライして、1回で決める!これ、ワンメイク
・・・で、だんだん、ずっと続けてくうちに、どんどんアンダーグランドのヒップホップの色が強くなってきて。
イベントの雰囲気もなんか、『暗い、怖い』みたいな。なんか、不良のたまり場みたいな雰囲気になって、当初のメンツがだんだん抜けてって・・・。
FM1年目ぐらいでSくんがオーガナイズやめるっていうタイミングで、ちょうど東京から越してきた伊藤くんが入ってきて。
その前ぐらいにもうユウキは入ってたのかな。確か。うーん・・・。
で、ユウキはユウキで、最初はスケート繋がりで、遊んでたんですけど、当時は結構スケート色が強くて、うん。
結構毎回、 その、スケートゲームって言って、スケボーの技をこう、順々に出してって、それで競うっていうのをやってたんすよ。
それを熱血の前のあの歩道でやってて。(笑) まあ、あの頃は結構ゆるくて、別に警察も来ないしみたいな感じでやってたんですけど、 ま、そういうのがあって、ユウキもDJ始めたいってなって、うん、いや、始めりゃいいじゃんってなって。
ウッチー:それまでは彼(ユウキ)はスケートオンリーだったんだ!、
S.G.Y:はい。
ウッチー:(ユウキは)その辺りから、DJとか、トラックメーカー始めて、みたいな?
S.G.Y:そうそう、DJから始まって、うん。でもう、僕はその時にはもうすでに トラックも作ってたんで、ユウキもトラックも作りたいっていう話になって、で、それで、まあ、俺もユウキもトラック作れるしっていうところで、まあ、ワンメイクっていうのが始まったんすかね。
なんか、ミーティングの場所で使ってたんですよね、確か、ファミリー(ワンメイクの制作現場・桜坂DRINK FAMILY)を。はい。
ウッチー:結局その、1曲をトラックからリリックまで。っていうか、レコーディング完了まで1日でやっちゃうっていうのは誰が思いついたの?
S.G.Y:これは、ま、僕っすね。で、これもどっちかというとスケート文化から来ていて、このワンメイクっていう言葉自体が、スケートのトリックを練習なしっていうか、ま、その現場で1回で決めるのワンメイクっていうんですよ。
例えば、じゃあどっか行って、『俺ここでこの技やりたいっ!』てトライして、1回で決める!これ、ワンメイク。
ウッチー:ほー。
S.G.Y:例えば、階段を降りて飛ぶのとか、1回で決めるとワンメイク。
ウッチー:あ、なるほど。
きっかけはMPC2000XLのZipディスク問題
S.G.Y:ワンメイクって結構やっぱスケーターの中では価値のあることっていうか。みんな大体何回も繰り返して成功するんすけど、その1回で決めるのってかっこいいなってところで。
ま、このワンメイクって言葉は、このスケートの文化から来てるんですけど、なんでワンメイクにしたかって言うと、当時、僕がトラックメイクに使ってた機材が、AKAIのMPC2000XLっていう っていう機材なんですけど。これって、もう当時から古い機材で、もう生産はされてないやつだったんですよ。
で、僕も友人から譲り受けて、それで使ってたら、僕のMPCはZipディスクのタイプなんですよ。
ウッチー:Zip!!懐かしい!僕もPC触りはじめの頃使ってましたね。
S.G.Y:200メガバイトぐらいしか入らない。で、それでトラックメイクしてたら、ある時からこのZipドライブが調子悪くなって。Zipがもう保存ができない状態になったんす。
で、もうその日作ったら、もうその曲はその日でもう消えるんですよ。保存できないから。
ウッチー:あはは。(笑)
S.G.Y:もう1回新しく作り直すとかできない。1晩で1曲作る。
だから、ま、これがスケートのこの1回で技決めるっていうのと結びついて、ワンメイクっていうのが始まった。そう。
だから、まあ、きっかけは僕の機材が壊れてからっていう。
二人:あはははは。(笑)
S.G.Y:それが一応、このワンメイクのスタートの件で・・・
ウッチー:(笑)いや、だけど、深いし・・・かっこいい!
あの・・・寝かしちゃうともう編集したくなくなるから
S.G.Y:えへへへ。で、1日でじゃあもう曲作るイベントやろっかみたいな感じになって始めたっすね。
で、当時は僕とユウキがトラック同時に作って、で、(お互いに)完成したら完成したで、ユウキの曲と僕の曲をどっちか使うんじゃなくて、ミックスして出してたんですよ。同じBPMで合わせて。そこにDJの要素も入ってるんですけど。
じゃあ最初は僕の曲からいって、後半はゆうきの曲で、じゃあラッパーは誰々が最初で後半はお前な?みたいな感じで決めて、それで曲を流して、交互に録ってたって感じなんです。その当時はレコーディングの機材も撮影の機材も全部自分だったんす。(笑)
全部もうMPC持ってきて、カメラも持ってきて、パソコンも持ってきてって感じで、もう全部自分で。
さすがにきついなってなって。で、もう、『伊藤くん、PAやってんだからもう録音は伊藤くんの仕事だ!』みたいな感じで、だんだん振り分けてって。
最終的に今はもう僕がカメラで落ち着いて、ユウキがビートで、伊藤がミックス&マスタリング&レコーディングって感じでの、今最終形態。
ウッチー:試行錯誤しながら今の形に落ち着いていったてことなんだねー。
S.G.Y:そうですそうです。
ウッチー:MVも結構これ(この夜のワンメイク)やった後に早いペースでリリースするじゃないですか?
S.G.Y:そうっすね。
ウッチー:ていうか、めちゃめちゃ早いでしょ。来月とかでしょ?
S.G.Y:そうそうそうそう。あの・・・寝かしちゃうともう編集したくなくなるから。あはは(笑)
ウッチー:笑
S.G.Y:もうとりあえずもう熱いうちにもう全部バーって編集して。ラフミックスの状態でもう映像はある程度仕上げといて。
ウッチー:あー、曲の尺ができたらもう映像編集しちゃっといて・・・
S.G.Y:はいはい。で、伊藤くんからちゃんとしたマスターが来た時にくっつけて出してるって感じですね。
ワンメイクやってFMまで1か月しかないから。
ウッチー:そうでしょ?イベントポスターとかももう刷っちゃってるよね??
S.G.Y:そうそう、もうなんで。はい、もう止まったらやれなくなるかも。(笑)
ウッチー:だよねえ?
S.G.Y:期日に合わせて。ただ出してる。
ウッチー:以前にそのワンメイクのコンセプトとかそういうの、俺、タイタイ(TAIX2:那覇のラッパー・ワンメイクにも参加経験あり)から聞いたんですよ。
S.G.Y:はいはいはい。
ウッチー:やべえだろそれやったら。って。(笑)
S.G.Y:ま、そうっすね。ワンメイクで言ったら、やっぱあのタイタイとMC ウクダダ&MC i knowのやつ。
ウッチー:あー、はいはい。
S.G.Y:あれがまあ1番時間かけましたね。
ウッチー:あれはMVも凝ってたねー。面白かった!
S.G.Y:あれはなかなか時間かけて、あれ、5分ものだけど 動画として書き出すのに。まぁ当時パソコンのスペックも良くなかったからなんだけど、8時間ぐらいかかったっすね。5分のものを!
ウッチー:レンダリングが。
S.G.Y:レンダリングに。
ウッチー:今は、そっか、マシンスペックが上がって(動画編集が)楽になったかー。
S.G.Y:(マシンスペック)もよくなったし、あと、やっぱこんだけ数やってると、僕自身のスキルも上がって、効率も良くなって、早く出せるようにはもうなりましたもんね。なんか 大体頭の中で、もう作業の仕方とか確立してるんですよ。
まあ、おかげさまで、スキルはなかなか上がったっすね。だからやっぱ、同じ場所で撮ってるので、いろんな試行錯誤、結構やって。
合成だったりとか、なんかレイヤーを3D化するとか、そういうのとかも色々試せたんで、うん、まあ、実際の本業にも、生きてて。
ナーリー:枠(合成撮影用のカラーシートを貼るための枠)も貼ってねぇ・・・
S.G.Y:枠も貼って、はいはい、白だったり黒だったり、ブルー貼ってとかやってました。(ナーリーさんが枠を自作してくれた)
ウッチー:あの(TAIX2+MC ウクダダ&MC i knowのMVで使われてる)合成の??
S.G.Y:はいはい。
ウッチー:あ!あれの撮影もFAMILYでやってるの?
S.G.Y:そうですそうですそうです。FAMILYの壁にブルー貼って、照明も合成できるようにちゃんと仕込んでやってます。
ウッチー:それはさすがに別日でやってるんでしょ?
S.G.Y:いやいや、ここまで現場でやってます。
ウッチー:やってんの?!あははは。(笑)
S.G.Y:あはは。(笑)
ウッチー:怖い!
二人:爆笑
S.G.Y:ここで、現場でやりますよ。ワンメイクはそんな感じかな。
ウッチー:いや、今回のもリアルタイムで、取材させてもらってるじゃないですか。これが形になってバッて出てくるわけでしょ。
めちゃめちゃ楽しみ!
S.G.Y:そうっすね。
最近はもうなんかあんまり難しいことしなくなったっすけど。はい。
もうある程度やり尽くして、シンプルにいかに出力出すかっていうところに今は落ち着いてますね。
ーーーとまあ、ここまでで一区切り。
トラックメイクから始まり、シンガー・ラッパーなど参加アーチストのリリックもトラックのラフを聴きながらその時に。
リリックを待つ間にトラックを仕上げて、すぐレコーディング!
1ヶ月に満たないイベント期日までにリリースするMVの映像素材もその日のうちに全て撮影するというアタオカ(失礼!)否、エクストリーム・クリエイティブ・プロジェクト『ONE MAKE』の発祥と狂気の制作現場の遍歴について、面白いお話がたくさん聞けました!
愉快な(狂気の)ONE MAKEについて、まだまだお話は続きます。
ーーひと段落した伊藤さんがカウンターで一息入れ始めたので、先程のワンメイク伝説の続きに参加していただきました!
いとう:俺がFM入った3年目ぐらいで、そっから 半年ぐらいで思い切り(ワンメイクを)始めた。
S.G.Y:なんか曖昧だよね。
いとう:急に始まったよ。
S.G.Y:急に始まった。ミーティングでなんか・・・ノリで。
いとう:スゴヤがさ、サンプラーの保存ができなくなったっつって、電源切ったら作ったもの消えちゃうから、残そうって言う・・・
S.G.Y:ま、きっかけはそれだよな!
いとう:めちゃ作ったよな。マジで。
S.G.Y:だって隔月の一晩で1曲、年に6曲だから、10年で60曲の・・・
うっちー:10年で60曲!!
いとう:最初の頃なんて、出してないビートもいっぱいあったから、4個5個ビート作って、その中から好きなの選んでやるみたいな。
S.G.Y:だからワンメイク自体はだから7、80曲ぐらい。90曲ぐらい?
ワンメイクの最初って・・・
いとう:大和とかサクラとかあの辺だよね。
S.G.Y:2011年から始まってから・・・。
いとう:13年目?俺がこっち(沖縄)来てFM入った時点でFMがもう3、4年経ってたんですよね。
S.G.Y:当時はもう、機材もなかったし。
いとう:そうね、もうなんもない。だって沖縄来たばっかりだったし。何も持ってなかったから。
S.G.Y:FMに(いとう君が)入った。じゃあ、きっかけから。
いとう:(笑)FMに入ったきっかけ、巻き込み事故です!
一同:爆笑
すごいドレッドヘアのスゴヤが、『伊藤は何できんの?』とか言って。
いとう:ファミリーの周年かなんかで、Sくんがお酒を届けるっつって、で、『伊藤君も紹介するよ』って言われて、初めてファミリー来て一緒にお酒入れて・・・
で、『このあと新都心のガストでみんなで飯食ってるから、伊藤君も来なよ!』って言われて、行ってみたらもうお通夜みたいな雰囲気になってて・・・
(Sくんが、)『今日で俺、FM辞めるけど、この後に伊藤くんが面倒見てくれるから!』みたいな。
『一緒に入って、いとう君がやるから』ってS君が言ったら、すごいドレッドヘアのスゴヤ(S.G.Y)が、『伊藤は何できんの?』とか言って。
一同:爆笑
いとう:『なんも・・・なんもできねえよ!』と思って・・・俺お客さんじゃん!
一同:あはははは!(爆笑)
うっちー:『伊藤は何できんの?』って!
S.G.Y:俺思い出したのが、当時、だからもう『FM解散するか』みたいな雰囲気になって、もうS君が、『俺が抜けるから、伊藤君入れてやってくれんか?』みたいな感じなってて。
で、(伊藤君って)誰なんですか。みたいな感じになって。
いとう:俺もなんでですか?だよ!
S.G.Y:えへへへへ!(笑)
いとう:ただ言われただけなのに・・・
S.G.Y:で伊藤君が、『一応俺東京でCD出してるんすよ。』っつって。
(俺)・・・で? みたいな。あはははは!(笑)
結構俺もなんか 尖ってて冷たい時期だったから、で、どうすん。だからどうすんの。なんなの。みたいな。なんかね、変な感じなっちゃう。
いとう:変な感じ。変な感じってか、そもそも入るつもりなんかねえから。
S.G.Y:あははは。
熱血がすげえのは、『やっていいよ』って言ってくれたっていうか、いや、『壊したら弁償しろよ、でもやっていいよ』っていう・・・
いとう:でも、それで『沖縄ってこういうもんなのかな??』って思った。(笑)
多分S君はやめる理由探してて、そう、やめるきっかけに・・・。
俺は、多分ね、3、4回くらい続けて遊びに行ってて。ただそれだけだった。
S.G.Y:あ、そうだね!
いとう:面白いイベントあるなと思って、熱血(熱血社交場・FMを開催している那覇国際通りの地下CLUB)にお客さんとして行ってて。
ただ、なんか『飲み会あるからー。』って誘われて。
S.G.Y:あの当時にああいうアングラな感じのヒップホップでイベントやってるってのが・・・
いとう:ほぼなかったよね。
S.G.Y:ほぼなかったから。
いとう:ウェッサイ(アメリカ西海岸発祥のヒップホップ)が全盛だったから、やっぱりその、ああいう、いわゆる今で言うブーンバップ(90年代ぽい太いドラムループを主体としたサンプリング)みたいなことやってんのは、特にその中でもああいうJAZZYなのやってんのはなかったから。熱血で、なんか同じようなの好きなやついるんだなと思って遊びに来てたんだけどねぇ。 なんでお客さんなのに、『あー、なんでこんな仕打ち受けるんだろう?』ってずっと思ってた。そのあとも4、5年。あははは(笑)
うっちー:でも、お客さんで来てた時から音楽的にシンパシーがあったってこと?
いとう:そう。そうかな。でも逆に言うとそれしかなかったから。(笑)
うっちー:そしたら、『お前何できんだ?』って?
いとう:そうそうそう。
S.G.Y:えへへへ。(笑)
いとう:何もできないけど、ま、ミックスとかは多分やってましたけど、みたいな感じだった。
S.G.Y:その当時はさ、FM入りたての頃は、オープンマイクの時にちょっとマイクいじるぐらいやってたね。
いとう:うん、だって、機材もないしね。
S.G.Y:ほんと、マイク1本をミキサーに直刺しして、オープンマイクみたいな。
いとう:その後なんかのタイミングで、MACKIE(PAミキサー)を熱血の人に教えてもらって、じゃあ俺もMACKIE買ってみたいな感じでスタートして。
それも多分、入って1、2年してからだと思う。PAミキサーなんかやったことなかったし。
熱血がすげえのは、『やっていいよ』って言ってくれたっていうか、いや、『壊したら弁償しろよ、でもやっていいよ』っていう・・・なんか、でも、何も教えてくんないっていう、なんかすげぇシビアな。(笑)
最初から、叩き上げっていうか、まあ、内地で言えば、考えらんないから。
そういう、なんか『システム勝手に触って良いよ』みたいなのって。
なんか、それで教わって。
ここ5年くらいですよ。『あ、ここまでやっちゃいけないんだ』とかわかってきたの。
なので、熱血には凄い感謝してます!
うっちー:ワンメイクって、ミックスもマスタリングもこの日のうちに仕上げちゃうの?
いとう:いや、ミックスとかマスタリングは別日でやります。さすがに。
ここでやるとレコーディングになりすぎちゃうので、あくまでお店での「遊び」の延長にしたい。
うっちー:後から詰めて仕上げるんだ。
いとう:そうです。
うっちー:ここではラフまでやってスゴヤさんに音源ラフを渡すと。
いとう:お互いが、みんなでわかるようにしといて、最後MVまで後日仕上げる流れですね。
うっちー:今日のワンメイクも、仕上がり楽しみにしてます!
いとう:ありがとうございます!!
ーー仕事を終えたC-LINEがカウンターにやってきて、さらに突っ込んだ音作りの話になりました。現在のワンメイクではC-LINEがトラック担当。S.G.Yが映像担当ですが、元々S.G.Yはビートメイカーなので、熱く盛り上がります!
S.G.Y:・・・音楽制作の話でいうと、MPC2000XLっての使ってて、元々、やっぱヒッポップ寄りの音が作れるマシーンってことで、愛用して使ってたんですけど、その、ちょうど まあ15年前ぐらいに、まあ、その、やっぱあの、強い音が台頭してきたんすよ。(UKベースミュージックを派生とするダブステップやトラップなどの、今で言うドリルに繋がるサウンド)
『音圧戦争』って、多分皆さん知ってると思うんですけど、その頃にもう音圧がすごいトラックとか出てきてて、で、僕、MPCで作ってて、それどう解消しようかなと思った時に、結局レコードからサンプリングするんすけど、そのサンプリングする時に、その音をあえて過剰に、要はオーバーレベルでサンプリングして、ちょっと潰した音になるようにサンプリングして。それをやると、『とんとん』とか、『ドンドン』ってなってた音が『ブンッ!ブンッ!』ってなる。(笑)
ウッチー:『ブンッ!ブンッ!』ってな。(笑)
S.G.Y:そう。潰されるから。だから、アタックとかの要素はなくなるんだけど、熱くはなるっていうか、こう・・・凝縮される。
で、そういう風に音入れ込んで、 それで現状のこの音圧(戦争)に耐えるようなサウンドに持ってったとかっていうのはあります。
そうそうそう。で、MPCって結構劣化させる・・・ サンプルを劣化させるようなエフェクトもついてて、それであえて劣化させたりとかさせたりして音作りやってました。
ウッチー:そんで、Zipディスクが保存できないから『ワンメイク』発祥と。
S.G.Y:そう。まずはそれから始まってるっす。一夜限り1発録りってことでやって。
C-LINE:自分がちょうどパソコン 使い始めたら、スゴヤさんが使ったビート録音できるようになったんですよ。
ウッチー:はいはいはい。
でもそれがさっき言ってた・・・結局このすげえいい音で作るんだけどセーブできないからC-LINEがそれ録音して?
S.G.Y:俺のビート投げてミックスして、ワントラックにしたんですよ。で、それを流してラッパーに歌ってもらって。(笑)
ま、さっき言ってたのは、ゆうき(C-LINE)がAbleton Live(DAWアプリ)だから、パソコンのDAW上で作った音と MPCのツーミックスを両方比べて聞くと、どうしてもMPCの音が太かったって話だったよね。
どう言うことかっつったらまあ、そもそもアナログっていうところで、サウンドの再生の仕方がどうなるかってのは。
ウッチー:入力がアナログだから、過大入力しても音が消えないんだよねー。
S.G.Y:あー、はいはいはい。ハイとローの成分はそのままいってるし。
ウッチー:歪み成分もそのままいってるから・・・
ゲインあげすぎたら歪むでしょ?そういう録音の仕方って。
S.G.Y:おそらくその、ギターのアンプと同じような作用をしてるんだと思うんですよMPCが。
ウッチー:昔のロックの録音でも意図せず歪んだ録音がカッコよかったのとかあったもんね。
S.G.Y:はい。ホントの歪みで作られてる音だから、しっかりとした音楽成分が載って再生されてるっていうような感じだったかもしれないですね。
ウッチー:サウンドエンジニア時代に、ガレージPUNK(ギターウルフに代表される、極めてサウンドの粗い、潰れたようなロックンロールサウンド)のレコーディングよくやって、 そん時はボーカル録音の時にちっこい過大入力用のミキサーを通して。
S.G.Y:1回歪ませて??
C-LINE:そんな感じなんですか??
ウッチー:そう。で、その4チャンネルの、3000円ぐらいの安いミキサー、 レコーディング終わるときには、何チャンネルか燃えたりして。(笑)
一同:あははは。(笑)
S.G.Y:昔の人はよくテープコンプ(録音テープに過大レベルで録音すると自然に音が圧縮される仕組みのこと)使うっていうのはよく聞きますよね。で、今そういう目的で使われてるのがSP404(サンプラー)とかなんじゃないかなっていう。
C-LINE:まあ、独特かなー。ビート作る時にそのコンプのエフェクトとしてサンプリングするって人が、やっぱいるんですよ。
S.G.Y:まあ、みんないろんな試行錯誤だよね結局。
実際ほんとに理解できてるかわかんないけど、好みの音になるっていうところをやってた感じだよねぇ。俺はMPCしかなかったから、それでどんだけ太い音鳴らせるかなっていうのでやってみたら、そういう感じだったかなぁ。
C-LINE:結構バンド界隈の人に聞いてもらった時とかも、やっぱり自分の音『やっぱキックが強いね。 』って。
自分はアルバムとかは全然そんな感じてなかったんですけど、やっぱり聞いてる人からすると、すごい低音と高音が強くてって、、、
S.G.Y:あ、ユウキの音は特徴あるよな。うん、なんかわかる。まあ、ずっと聞いてきてるからかもしれんけど。
お前の音なのか、もしくは トラクターの音なのか、Abletonの音なのか、それはわからんけど。
C-LINE:あはは。あの、そこは自分の質感だと思う。(笑)
S.G.Y:あっはっは。(笑)その方がいいよ。
C-LINE:今日めっちゃ良い音で作れた!
S.G.Y:今日めっちゃ良い。あの音の鳴りは!
C-LINE:今日めちゃくちゃ削らんかったっす、EQを。
S.G.Y:まんま使ってる音もあるってこと?
C-LINE:うん、そうそうそう、低音もね。
先月のワンメイク、ゲストビートメーカーの人が(ワンメイクの制作現場の状況を理解してなくて)機材を持ってこなかったんですよ。
それで、パってお家帰って、パって戻ってきたのに、結構音良くって。
自分、あの時はめちゃくちゃ悔しかったんですよ。自分の曲流したら、めちゃくちゃ自分がローファイだったんすよね。
結構ヘッドホンで頑張ってミックスして出したのに・・・。
前回は自分ミックスの腕が無さすぎて。
今回マジで削るのめっちゃ減らしたんです。ほぼまんま出して、ちょっと気になったところだけ削った音が今日で。・・・(今までは)削りすぎてたって話なんだけど。(笑)
S.G.Y:いやでもほんとなんかさ、そうらしいよ。削らないで作るのが1番らしい。
だから録り音でしっかりそのサウンドを理解して、それでバランスのいい音量値に持っていくっていうのがなかなかいい音の鳴らし方らしいね。
あ、でも正解はないからね。
C-LINE:ぱっと帰ってきて、ぱっと作った曲の方が音楽やばかったとか、なんか音質良かった。
『なんかやりすぎてたみたい。』って超気づいて。
ますますわからんくなってきた。
音楽のミックスとか、映像の編集とかって、正解はないんだけど、失敗はあると思ってて。
S.G.Y:ま、その時その時の感覚で出来上がった音でしかないから。完璧にコントロールできるわけもないなってのは思ってる。その時にサンプリングした音との組み合わせだから、合う時もあれば合わない時もあるのかな。
俺も映像とか撮るにあたって、 結局カメラに映ってる映像をサンプリングしてるようなもんだから。
その目の前にある映像をサンプリングして、それを編集して映像作品っていうビートにしてるわけなのかな。そういうビートメイクとこう掛け合わせると。
だから、正解はないし、切り方(映像編集の仕方)も1日置けば変わってくるし。
だからあえて2度見しないっていうのはある。
ウッチー:あはは。
S.G.Y:『これでいい!』っていうのをその日で1回追い込んだら、もう触んなかったりするな。うん。最後に吐き出すときに、手加えて終わりぐらいから、あ、一緒だと思う。だから、サンプルしたものを繋ぎ合わせて、どういう風に自分なりに表現して出すかっていうのは、そこはもう製作者の加減であって、正解がないものだから。
一同:うんうん。
S.G.Y:でも、失敗はあるんだよね。こういうのって間違いはあるんだよ。
音楽のミックスとか、映像の編集とかって、正解はないんだけど、失敗はあると思ってて。で、その失敗をいかに省いていくかっていう。
やっぱ、例えば映像で言えば、じゃあ、ある人物をワンショットでバストアップで撮ってました。
次の人物をカットで切り替えたときに、同じ画角では、やっぱ同じ画角で切り替えたら、人物が変わるだけで、絵の繋がりがないんですよ。だから ワンショットでバストアップで取ってたら、次は顔の寄りとかから引くとか、やっぱその組み合わせは絶対あるわけです。だから失敗はあるわけです。
ウッチー:それを計算して取っとかないと素材がないっていうことになる?
S.G.Y:ていうふうになるし、正解はないけど失敗はあるっていう感じは、やってて思います。
ーーー音楽も映像も『正解はないけど失敗はある』というS.G.Y。
僕も全く同じことを思いました。みんないつも笑ってて、ユルくって、酒ばっか飲んでるんですけど、クリエイティブに関しては自分に厳しい!!
ちなみにみなさん他人にはメチャメチャ優しいんですよねー。クリエイティブの現場って。
この後も熱い話が続くんですが、キリがないのでこの辺りで締めたいと思います。
・・・そんな一夜限りのクリエイティブ『ワンメイク』。この夜の一曲が12月末にはリリースされます!
みなさま、是非お楽しみに!
Recognize Production
こちらのYOUTUBEチャンネルで動画が公開されます!
https://www.youtube.com/@recognizeproduction
Recognize Production オンラインショップ
映像作品のDVDをはじめ、Tシャツやキャップなどの販売も行っています。
https://store.recognizeproduction.com/
沖縄熱血社交場(FMが開催される国際通りのクラブ)
那覇市牧志1-3-53 エレガンスカネコビルB1
https://www.instagram.com/nekke2syakoujou/
桜坂DRINK FAMILY
沖縄県那覇市牧志3-7-16 2F
https://www.instagram.com/drinkfamily/
Column
コラム『Hoseya Barrazaのwoho woho dream diary』
コラム:Hoseya Barraza
那覇市久米のThe Hologram Cityオーナーにして、THCBOYSボーカル、WOHO代表といくつもの顔を持つ魔窟の民。
心のアイドルはチェッカーズ!サードアイを持つ。
おはこんばんちは。THCBOYSのボーカルであり、WOHO代表、Hologram Cityの店主を勤めておりますHoseya Barrazaです。
この度『沖縄地下音楽』に私の散文を寄稿して頂く運びとなりました。ありがとうございます。しかも嬉しいことに、沖縄地下音楽の編集長でありABDrecordsの頭(カシラ)ウッチーさんから、LIVEレポートや好きな曲のレコメン等にこだわることなく、ただただ、好きなように書き放題しちゃってくださいというオファーを頂きまして、私テンション爆上がりのところでございます。
その昔作家を目指していろいろ奮闘しておりましたが、インターネットの普及によって、より文章力の高い素人さんが五万といることを知り自信を無くし、筆(この場合キーボード?)を折った(本当は折ってませんフィジカル的には)自分に、「あんた20年後WEBマガジンでエッセイ書くんやで〜」て言ってあげたい!
なので、このコーナーは日頃感じたことや思い出したこと、たまにヘンテコな夢日記的なものも添えて、だいぶ自分語りになると思いますが、エッセイというか作文ですね。そう!作文させて頂きます。よろしくお願いいたしやす。
まず今回は、自分の記憶の中で1番古い音楽的な思い出から。最初にはまった曲はウルトラマンレオの挿入歌、「星空のバラード」
この曲は劇中でウルトラマンレオに変身する、おおとりゲンを演じている真夏 竜さんが歌われている曲です。 数あるウルトラシリーズの中でも、特に暗い印象のあるこの作品(画面も暗い、モロボシダンのクマも黒い)の中で、この曲が流れてくるとフワッと心が軽くなり温かい気持ちになったものです。
でも奥底には寂しさと痛みを僅かに感じる…。
それは、今は亡き故郷の星(マグマ星人の奇襲にあい全滅)と、離ればなれになった弟アストラへの想いがあってのことでしょう。
そんなエモさが、Hoseya少年の心をしっかりと掴みとり、現在のフォークソング愛でたい系オッサンに繋がってるのは言うまでもないですね。言ったけど。
その後、歌番組の虜になり、ザ・ベストテンや夜のヒットスタジオで歌謡曲を聴きまくってた時期、1番好きだったのは、クールな眼差しにソフトデザインのリーゼントパーマ、近藤真彦ことマッチ(あれ、反対か?)にドハマり!初めて観に行ったコンサートもマッチで〜す!
そのコンサート、沖縄市の体育館で行われたんですが、会場全体がお行儀が良かったのか、床に敷かれたシートの上にちょこんと座って聞いていました。その中で僕だけが奮い立つ気持ちを抑えきれず半立ちで興奮していましたよね…って下い話じゃないですよ!皆にバレないように少しだけこっそり立って前屈みにーーって、あまり伝わりにくそうなのでここでやめときます。
それでも、初めてのコンサートで今までに無かった音量を経験した私は、家でもその余韻に浸りたい一心で必死にお小遣いを貯めて、マッチの出たばかりのアルバムを買いに、沖営通りの高良楽器店に出向くのです。
初めてのレコード屋さん、超キンチョ〜でおしっこチビりそうになりながら、
「LP買いに来ました!ここに2800円あります」
と、誇らしげに高々と持ち上げたドラえもんの貯金箱。しかし中身は10円玉や50円玉の小銭だらけ。今考えたら非常識な話です。
しかし、心優しいレコード店のスタッフさん達は総出で貯金箱の小銭を数えてくれました。その光景を静かにジッと見つめていると、計算が終了し、2800円以上の金額に達してることを知り、安心して
「マッチの新しいレコードください!」
….シーン….。
少しの静寂の後に、スタッフさんの1人が気まずそうに
「そのレコードはとっても人気があって、今品切れなの…」
パニック。パニックを起こしそう。今まで自分のためにたくさんの大人達が小銭を一生懸命に数えてくれたのに、、、頭の中は真っ白。どうしよう、、、思わず口にした言葉は
「じゃ、次に売れてるレコードください」
「今はこれが凄くイカしてるのよ」
無心のまま、渡されたド派手なチェックのレコードジャケット。見事、チェッカーズのファーストアルバム、「絶対 チェッカーズ」を手に入れた瞬間でした〜!(感涙)
ですが当時、超硬派マッチファンだった私は、テレビでセーラー服を着て、前髪垂らして甘い声で歌ってるチェッカーズがクソキライだったんですよ。。。でも状況が状況だったので、何も言えなくて夏…、あれ、春だったかな?
まぁ、ともかくその後、私が無類のチェッカーズ好きになったのは言うまでもないですが(言ったけど)、私の本当の意味でのRock ‘n’ Roll 中毒が始まるきっかけになったのはがちまいない!
人生って何が起きてどこに転がるかわからないものですね。
だから、ウキウキワクワクすること、楽しいことを大事にしながら生きていれば、間違いないんじゃないんじゃないん。
今回は『沖縄地下音楽』への初寄稿と言うことで初心に戻って、私の音楽に触れた最初期の話をさせていただけましたが、次回以降も私のヒストリーを時系列にご紹介!するつもりではなく、その時に感じたことや書きたいことを、面々のんびり書かしていただく次第であります。
もちろん、Hoseya少年の成長記も載せる回もあると思いますのでお楽しみに。
それでは皆さん、さよおなら。チャンネル登録と高評価ボタンは乳首に付いてますんで、いつでも押しにきてください。
かしこ
Hoseya Barrazaのミュージックバー『ホログラムシティ通称:THC』では、コラムの語り口そのものの生ホセヤさんと楽しく夜通しお話しできますよー♪
那覇にお越しの際には是非お立ち寄りください!!
The Hologram City(通称:THC)
那覇市久米2-16-48 地下1階
X(ex Twitter)
https://twitter.com/hoseyaBarraza
インスタグラム
https://www.instagram.com/TheHologramCity/
Disc Review
ディスクレビュー『SOW THREAT / Why?』
ディスクレビュー:汚爺おズボン
Metal、Hard Rock、Punk & HCを中心に国内外のレア音源を取り扱う通販レコードショップ『RHB RECORDS』オーナー。
幅広いジャンルに対応するDJとしても沖縄県内県外で活躍中。
8131(ハイサイ)汚爺おズボンDEATH!沖縄地下音楽シーンでも数多くの音源が様々なフォーマットでリリース
されているのですが、その中でもこりゃイイぞ!と独断と偏見でチョイスしたモノを不定期で紹介させていただきます!
記念すべき第1弾は沖縄唯一と言って間違いないステンチクラストサウンドを聴かせる那覇のSOW THREATの2016年自主リリースの3rd単独音源「Why ?」(CDEP)です!
沖縄のハードコアと言うとどうしてもメタリックハードコア&ニュースクール系やメロディック系を思い浮かべてしまうのですが(ここ10年程の話です)、SOW THREATはその中でもかなり異質・・・帯タタキにもある様に80年代のUKクラスト&ハードコアサウンドをSOW THREATのフィルターを通して濃い目に抽出し、そこに独自のフレーバーを追加したスペシャルブレンド的な味わいを楽しめるのです!!
筆者は勝手に「琉球クラスト」と名付けたのですが、収録されている5曲のショート&ロー&ノイジーな彼等の曲を聴いていただければ一発で「ヤラレタ~!」となるはずです。この後も彼等はEPやLP、カセットなどで音源をリリースしているんですが、彼等最大の魅力をギュッと凝縮しているのはこの作品だと今でも思っているので、皆様にも強力にオススメいたします!
因みにバックインレイのメンバーの似顔絵イラストを手掛けているのは現「生ず」のMEGUMIBOY氏です!
今現在もパンク&ハードコア音源を専門に扱うショップを中心に流通しているので、この機会に是非手に取って欲しい1枚です。
【作品情報】
アーチスト名:SOW THREAT
作品タイトル:Why?
発売年:2016年
フォーマット: CD
販売価格:¥1,100(税込)
収録曲数:6曲
品番:ST001
発売元:自主リリース【収録曲】
1.INTRO
2.WHY?
3.LIAR
4.SICK GUY
5.WHAT THE TRUTH
6.OUTRO
SOW THREAT
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・公式X(ex.Twitter)
https://twitter.com/sowthreat2010
【リリース情報】
SOW THREAT / FRIENDSHIP:II 友情 (CASS)沖縄のハードコアバンド “SOW THREAT”!! 国内では5年ぶりとなる久々の新音源をカセットテープで自主リリース!!
新音源4曲収録+α?? 現在はサポートギターにex BAD DIRTY HATEのROOKIE氏が参加!!
限定160本!!
RECORD SHOP BASEにて予約受付開始!
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次号、沖縄地下音楽VOL.5は2024年1月1日リリース予定です。
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など盛り沢山でお贈りしますので、お楽しみにー!